十五

Sが逝ってから私は暫く訳が解らなかった、

何故なら、その二日前に数年ぶりに会ったからだ。


母から突然二日後に

「Sが死んだ。」

と連絡が来た。


最初、

「は?」

としか思えなかったし、意味がわからなかった。


後悔先に立たず。

悔やんでも悔やみきれない。

そんな言葉では足りない。


私はその時(Sと会った最期の日)前の恋人と軽い喧嘩をしていた。

本当はSと会った時は上の兄の誕生祝いだったのに。


愚痴ばかり言ってしまったと思った。

自分の話ばかりになって、Sの話も疎かに聞いてしまっていたと思う。

そんなまま、Sと言葉を交わす事すら出来なくなってしまった。


私は今飲食店で働きながら、

絵を描く仕事も時々している。

それは全て、

きっかけをくれたSのおかげと思っている。

本当ならばそんな感謝を伝えなければいけなかったのに。


その事で母とも喧嘩が絶えなかった。


私の摂食障害も、精神疾患も治っていなかったので、

暫くして、

自殺を繰り返した。

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