十一

みるみるうちに痩せて行った。

当たり前だ、食べたものを全て無かった事にした。

アルバイトも続けていたので、

お金にも困らなかった。


太る事にも怯え、必要以上に運動もした。

当然、エネルギーが足りなくなっていった。


母に、

「ダイエットするのなら、手伝うよ。」

と、言われたけれども、

「食べて痩せて行ってるから大丈夫。」

といった。


徐々に、頭が回らなくなっていった。

意識が混濁して行った。


17歳の六月十日、

泣きながら母に言った。

「食べたもの全部吐いてた。」


苦しくて苦しくて、泣きじゃくった。

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