クリエイティブ・ウォーズ
@aux339
序章
「はぁ……はぁ……」
走る脚が棒のようだ、手に持つ鉄の固まりは容赦なく俺の体力を奪っていく。
晴れていないのにやたらと暑い、額に伝う汗を拭いながら走った。
走ってたどり着いたビルに身を隠す。
(最後に晴れた空を見たのはいつだったろうか‥‥)
ふとそう思った時、奴らが近づいてきた。
「シュー……ヒュー……」
独特な機械音と排気音を鳴らしながら近づいてくる。
人とも動物とも言えないそれに目はない
イアー・サーチロケーションという特殊なユニット装置を身に着けている。
人間の心臓の音、呼吸音、足音を感知する装置だ。
なぜそんな特定の音だけを感知するかって?
『対人間用特殊感知システム』
それがあいつらに搭載されている、ユニット装置が持つシステムだ。
人間を殺し、人間を捕獲することを目的に作られたユニット装置が
あの得体のしれない連中に取り付けられている。
「ほんと……迷惑な話だよなっ!」
俺はビルの影から飛び出し、鉄の固まりを構え
撃った
レーザーとも、銃弾とも言いがたい光の塊が奴らに向かって飛んで行く
パスンッ
なんともマヌケな音をたてて光の塊が奴らに命中した。
追ってきた奴は機械が止まるように沈黙し、崩れ落ちる。
「ふぅ‥‥」
自然と出る安堵の溜息をつきながら
手に持つ鉄の固まりを背中に背負い直した。
空は赤い、血で塗られたように赤く染まっている
太陽もここ数年見ていない。
「さて、行くか」
そう呟き、俺は歩き出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます