School Love

第1話

「さっくーん!」

朝、登校の途中。

一人歩いていると、背後から見知った声が俺を呼ぶ。

「んー?」

振り向くと同時に思いっきりタックルをされた。

「いって!何すんだよ」

「えへへ♪おっはよ」


笨早鉗。

俺、紋架朔とは幼稚園くらいからの幼馴染みだ。

見た目が幼い感じだからか俺からしたら妹みたいな存在といったところがしっくりくる。


「何か今日はえらくご機嫌だな?」

「え!?そ、そうかなぁ…?」

そう言って、少し頬を染め俯く鉗。

「だっ、だってほら!今日新学期、だよ!?」

「うん、そうだな?」

「だ、だから!」

「…新学期が嬉しいのか?」

「ち、違うー!」

ポカポカと叩かれる。

「いてて!何なんだよ」


学校に到着すると、それぞれの教室の前で鉗と別れた。

と、なにやらざわついている。

「…?」

「よ!おはよ、朔」

同時に背中を勢いよく叩いてきた、こいつは親友の嫁城淕。

「いってて…何で俺の周りはこう暴力的な奴が多いのか…」

「ん?」

「何でもねーよ」

「それよりさ、朔」

「んー?」

「知ってる?今日、転校生来るんだって」

「え、何だそれ初耳だぞ」

「やっぱ?俺も今日クラスの奴に聞いて知ったもん」

「ま、そういう事もあるだろ」

「な、な、男かな?女かな?」

「俺が知るか」

「めっちゃ美人だったらいいよなー!」

「もうお前の中では女に確定したのな?」

「そりゃいい方に考えた方がいいからな!」

「」


「はーい、皆、席に着いてねー!」

担任の先生が入ってきたのでそれぞれの席に着いた。

「今日は皆さんにお知らせがあります…ってもう知ってる人も多いのかな?」

クラスメート達が顔を見合わせる。

「まぁいいわ。今日うちのクラスに転校生が来てるの」

どっとクラスがざわつきはじめる。

「先生、女子ー?男子ー?」

「えー、それはお楽しみにしときなさい?」

「えー!」

「さて、じゃあ入ってきていいわよ、音福恋さん」

「はい」

え?

音福恋…その名前に反応した。

ガラッという音と同時にツインテールの少女が入ってくる。

容姿はかなりいい方なんだと思う。

クラスの男子という男子が彼女に釘付けである。


「はじめまして、音福恋です」

不思議だ。

本当に不思議で…こんな事ってあるものなのか…。

俺は彼女と初対面でない。

そんな気がしてならなかった。


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