14.awakening

なんなんだ一体あいつは!?話は通じたのか?


まだ頭がクラクラして目眩がするが、のんびりしている余裕はない。

瞳のことはあいつに任せよう。

自分一人では、少女二人は助けられない。

よく判らないがそう判断するのが今は正しいと感じられた。



「杏奈、しっかり掴まれ!」


まずはこいつを外に出すんだ。そして、その後、瞳もきっと救い出す!

彼女を背負うと、ボクもまた、後ろを振り返り、反対のもと来た階段へと向かう。

上からパチパチと音が聴こえる。煙のきな臭い匂いも鼻を突いた。

直感的に階段を戻るのはマズいと感じられる。

先程の高周波を直撃したからだろうか?五感が鋭敏に研ぎ澄まされているみたいだ。

再び小さなパルスのキーンという耳鳴りが頭の奥で響く。


どうすればいい?素早く、だがよく考えろ!

ボクは、一度目を瞑ると、そしてゆっくりと見開いた。

覚醒し瞳孔が開くのが自分でも解る。



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