7.nobody knows
「じゃああたし達駅ビルのクレープ屋に寄って帰るから♪」
何がじゃあなんだかもよく判らないが、杏奈も笑顔をくれた。
彼女達にとっては、いつ何時訪れるか判らない恐怖よりも、身近なスイーツの方が重要らしい。
でも、つ、連れていって欲しい!
「さよなら〜」
ボクのほのかな期待も虚しく、瞳は大きく手を振る。
「ああ、気をつけて帰れよ。」
中年の担任教諭みたいな返しをするボク。
「ありがと♪ね〜ね〜なに食べるぅ?」
「う〜んお腹ペコペコだからケバブ焼売クレープ!」
「ヤッパリぃ!?」
なんだよその正体不明な物体は!?
後ろからツッコミを入れたい衝動を懸命に堪える。
まぁそんなもん貪り食う所なら男子禁制も当然だろう。
仕方なく納得し諦める。
だがしかし、チャリンコを飛ばしてきた甲斐はあった。
この会話が種芋となり、今後の恋の収穫に繋がるに違いない!
都合のいい上手いことを考えて、今日の所はおとなしく帰ることにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます