虚しいひとり言
@shiromiso
今日の涙
毎日泣いているのだから特別なことでもない
毎日悲しいのだから
毎日苦しいのだから
もう慣れてもよさそうなものだが
未だに涙は枯れない
一人、一人
言葉は薄まっていく
感覚は鈍くなっていく
同じ苦しみを
永遠にリフレインして
同じ記憶を
何度も何度も
言えなかった言葉が喉までせりあがって
また飲み込んで
一体何を言いたかったのか
何を言わねばならないのか
わからなくなって
不思議に甘い吐き気のなかで
死に続けている
恋、恋だよ
簡単な話、よくある話
失恋で空っぽになったと言えば
全然不思議な話じゃない
世間に嫌というほど溢れていて
あなたも そこのあなたも そう僕も
同じ みんな同じように苦しいのだろう
「嫌だよ 生きていてよかったと思える瞬間を
もう手放したくなんてないよ」
よくある物語の よくあるセリフ
それによくいる青年、少年が、ひとり感動して
よくある涙を流している
ねえあなたは聞こえていますか
僕の声が
僕がどれだけあなたを愛しているか
あなたのためじゃない
僕のために 僕がどれだけあなたを愛しているか
あなたがいなければ僕はもう生きてはいけない
なんて よくある話
あなたが過去に出会った、似たような男、
これから出会う似たような男、誰もかれも、
同じことを言って、同じようにあなたを愛し、
同じように苦しみ、そして死んでいくのなら
僕もこのまま 蜃気楼のようなあなたの姿を描いて
死んでいくのだろう
罪があるとすればあなたじゃない
僕にもない
ただ人間が不幸にもこういうふうにできていて
一度 本当に好きになってしまった
それだけの偶然 その偶然で
もともと空虚な僕の魂は
一度生かされ そして再び死んでいく
僕が探すのは同じような幻で
空虚な体のための 僕のための愛
それを探している
生きていてよかったと思えるような瞬間
そのために生きている
「人間は恋と革命のために生まれてきたのだ」
僕は恋のために生きている
誰かを愛し 愛されるために生きている
誰でもいいわけじゃない
いつまでも僕が愛していられるような
どうしてか僕は本当に好きになった人を避けてしまう
僕などが傍にいてはいけないのでは
自信がないから
それで避けてしまう、もしかしてあなたも同じなんじゃないかと思うのは
僕の驕りだろうか
ともかく
世界で一番綺麗なあなたはもう僕の手の届かないところに行ってしまった
一目見ることさえたぶん叶わない
僕はこれからどうして生きていけばいいのか
ぼんやり考えながら
ひょっとするとあなたのほうから迎えにきてくれるのじゃないかと
実は そんなことを考えながら
もう二年も待っているのじゃないか
それはあなたも同じかもしれない、と思うのは
僕の驕りだろうか
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます