DQNだらけの日本神話

彩名ラリアット

第1話 国生み(くにうみ)

「さ~て、地面もつくって家も建てたし、あとは……」


 伊邪那須岐神イザナキノカミ(♂)と伊邪那須美神イザナミノカミ(♀)は、別天津神コトアマツカミから命じられ下界に国土を作った。


 一仕事を終えたイザナミの身体は火照っていた。

「ったく、面倒くせーこと押し付けやがって。てめえでやれっつーの」

 ぶつぶつ文句を言うイザナキに向かって、

「そんなことより、まずはセッ○スしよっ」

 そう言うと、イザナミはいきなりイザナキにのしかかった。

 騎乗位で腰を振りまくるイザナミ。

「ちょ~、俺たち兄妹なのに。……でも気持ちいい」

 股間に天の御柱のごとくそそり立ったイザナキのチ○コはすでに制御不能だった。

「あ~ん」

 大声で悶えるイザナミ。

「……あ、出るっ」


 そして水蛭子ヒルコが生まれた。

「もう、どうしてこの子は三歳になっても立てないのっ? イラつくっ」

 イザナミはヒルコの頭を張り倒した。

「だったら、海に流しちゃえばいいんじゃねっ?」

 事も無気にイザナキは言った。

「チョ待てよ」

 ヒルコは涙目で訴えたが、ふたりは葦の船にヒルコを乗せ海に流してしまった。


「さて、じゃあセッ○スしよっか?」

 さっぱりしたイザナミは再びイザナキに迫った。

 イザナミの頭にはセッ○スしかなかったのだ。

「ちょ~、あ~」

 イザナキは成されるままだった。

「あ~ん」

 再び女性上位で攻めるイザナミ。

「……あ、いくっ」


 次に淡島アワシマが生まれた。

「なぜかしら? この子も精気がないわ」

 イザナミはイライラした。

「また海に流せばいいんじゃねっ?」

 イザナキは簡単に言い放った。

「マジっ?」

 アワシマは耳を疑ったが、ふたりは躊躇なくアワシマを海に流した。


「しっかし、なんで丈夫な子が生まれないんだ? どこかやり方が間違ってるのかな?」

 ソファーに横になり、イザナキはぼんやりとテレビのワイドショーを見ていた。

 すると『草食系男子と肉食系女子』という特集が始まった。

「くだらねー」

 初めはそう思っていたが、「男子は積極的に、女子は控えめに」というフレーズがイザナキの心に刺さった。

「あのさー、今度は俺が上になってみるわ。いつも受け身だったし」

 イザナキは勇気を出してイザナミを誘い、正常位でガンガン攻めまくった。すると、

「な、なんか、エエ感じやな」

 イザナキには新しい感覚だった。

「わたしも~」

 イザナミも素直に同調する。

 さらに、イザナキがチ○コを右回りにピストンすると、

「う、うわっ、気持ちエエ~」

 ちょっとしたテクニックにイザナキは燃えた。

「わ、わたしも~」

 イザナミも同様に悶えた。

 ふたりは連日セッ○スに没頭した。


 イザナキが主導権を握ったあとは次々と元気な赤ちゃんが生まれた。

 赤ちゃんは、

 淡路之穂之狭別島 →淡路島

 伊予之二名島 →四国

 隠伎之三子島 →隠岐島

 筑紫島 →九州

 伊伎島 →壱岐

 津島 →対馬

 佐渡島 →佐渡島

 大倭豊秋津島 →本州

 となり、後に大八島→「日本」と呼ばれるようになった。

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