第12話 しゅうかい

たくさんの猫がいる


見渡す限り猫だ


今日はおじいちゃん猫のお祝いの集会だ


ねこのおじいちゃんは本当のおじいちゃんじゃない


みんなのおじいちゃんだ


ねこに言葉を教えてくれた


ねこに狩りを教えてくれた


ねこに愛情を教えてくれた


ねこはおじいちゃんが大好きだ


数週間前におじいちゃんは倒れた


ねこの世界にお医者さんはいない


苦しそうなおじいちゃんを見るのが辛かった


でも今は少しずつ元気になってきた


集まりには知らない猫もたくさんいた


ねこはあまり話さなかった


でも友達はきていた


ねこはせいいっぱいの笑顔であいさつをした


「おはようにゃ」


返事はそっけなく


「おはようございます」


だった


それ以上ねこは話せなかった


だから集まりはあんまり楽しくなかった


でもおじいちゃんと話せてよかった


ねこは悩んでいる


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る