魔陣士フィリア 最後の物語

大王さん

プロローグ

「この旅の果てに君は死ぬだろう。 その定めを君は受け止めることができるか」


 予言者が私にそう言葉を投げかける。

 私は素直に首を縦に振った。


「この旅にどんな価値があるかなんて私は知らない。 でもそれを行うことで何かが変わるのならば私は全身全霊を持ってそれに退治する。 仮にあなたであっても」


 まるで私の本気をあざ笑うかのように予言者は苦笑する。


「この先にあるのは間違いなく地獄だ。 そんな覚悟では全然足りない。 それだけは間違いなく保証するよ」

「それをあなたが強要したんでしょう。 なぜ今になって止めようとするの」

「初めから止めるつもりはない。 止まってもらうつもりもない。 ふふ、そうだな。 どうやら今になって不安になったようだ。 だから覚悟を知りたくなった」


 予言者は私の目を見る。


「心せよ。 本当の戦いはこれから始まると言うことに」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る