十つ目 私の革命は昔話です。

 先日、眉毛ソリジャーとバディーファイトと私でいつものように話しておりますと、話題は小学校のことになりました。

 小学校と言うと思い出す事があります。

 私の話です。あれを私は「革命」と呼んでいます。

 私はあの二人に革命の話をする事にしました。

 昔の話です。

……私は五年生の時に転校して来ました。

 そして、私は嘘を繰り返してクラスで嫌われていきました。

 何故、あのように愚かな事をしたのか私にもわかりません。

 果たして、私への嫌悪感はいじめへと進化していきました。

 その頃の私は大いに狂っておりまして、担任の先生の悪い点や、他の生徒の悪口などを自由帳に書いていました。(主に先生の悪口を)

 その時のいじめのリーダーは勉強でも体育でも非常に良くできていたNと言う少年でした。

 さて、私に転機がやって来たのはその翌年です。

 Nが米国に渡る事になったのです。

 六年生になっても私のクラスの担任は変わりませんでした。

 この頃、担任の先生の評判は落ち目でした。

 ここで、私の自由帳の出番です。

 私はクラスの奴等に自由帳に書いてあった事を大いに誇張した上で話しました。

 先生の評判はたちまち下がりました。

 そこで、私は先生に反抗を始めました。

 すると、先生に反抗する風潮は広まって行き、私はその中心に祭り上げられました。

 私の反抗は徐々にエスカレートして行き、ついに先生に責任を追及するための学級会が開かれました。

 そこでも、私は中心に立ち先生の落ち度を一つ一つ糾弾して行きました。

 一時間に及ぶの学級会の末、先生にもう一度チャンスを与える、と言うことで収まりました。

 それから、私は生徒に憎まれている先生を見つけては、公の場にて糾弾し、生徒の支持を集めていきました。

 しまいに、私は「正義の人」と呼ばれました。

 全然そんな事はないのです。

 私はただ憎しみのターゲットをそらして自分を守っただけなのです。

 その頃は自覚していませんでしたが、私はただのクズです。

 正義なんぞ微塵もなかったのです。

……私はクラスの底辺から頂点へ登りつけました。

 これこそ革命だと、私は考えます。

 そして、犠牲が生じた。

 犠牲者は決して悪い人ではなかった。

 そして、この革命は正義ではなかった。

 何、全部本当の話ですよ。


 話が長くなってしまって申し訳なかった。

 今日は、愚かな私の昔話を聞いてくれて、どうもありがとう。



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