🔥41話 救世主 ※真田幸隆、長野業正、鷲塚佐太夫、出陣🔥

数日後。


「......幸隆ゆきたかが生きてる。」


「キョウ!?これは夢か???」


「夢じゃないですよ。」


「......!?」


 数日たって、スッカリヒゲモジャ幸隆は突如、オリの中に出現した、眼の前のキョウと業正に驚き「キョウ、業正なりまさ様!!。なんでここにいるんだよ!?。」とこれでもかと叫んだ。


 業正はニッコリと笑い慈悲深い声で「君たちを、この牢獄から出すためです。」と言った。



 幸隆は、嬉しそうに、慌てて「佐太夫さだゆう、目を覚ませ!!俺たちに生きて、ここを出れるぞ」と言って寝ているモジャモジャ頭の佐太夫を叩き起こした。


 モジャモジャ佐太夫は目を覚ますと業正とキョウを見て「うぉおおお!!久しぶりだな!!!」と興奮した様子で狂うように大声をあげた。そして、あたりカビが舞ったことは言うまでもない。


 そのあとで幸隆は思い出したかのように「そういえば、俺のガキは?」と自身の息子の心配をするのであった。


 すると、キョウは相変わらずの不器用な笑いを披露し「......源太たちは、もう甲斐にいるわ。業正様が全部手引きしてくれたの。」と答えたのだ。


 幸隆は「マジで。てか業正様、なんで、俺が甲斐へ行こうとしてたこと知ってたか!?」と言って、業正をお前は老眼かと思うほどに凝視した。


 業正は幸隆を見つけ返すと、高笑いをして「そうですよ。だって棟綱の話を聞いて、君を投獄させたのは僕ですもん。」と衝撃発言をした。


 まさかの発言に「えぇぇえええええ!?」と佐太夫が幸隆よりも先に驚いた。それが原因で幸隆が驚けなかったことは言うまでもない。


 そして、業正は再度ニッコリ笑うと「幸隆君、最初に会ったときは僕は君を殺そうとした。でも、殺さなかった。しかも、今回は甲斐へ逃がそうとしてる。この理由はなんでかわかりますか?」と幸隆に尋ねた。

 

 「......」

 

 幸隆の沈黙に業正はヤレヤレという顔をしたあと「まさか、見当もつかないとはね。僕は君と同じで血が苦手なんです。だから、僕は君をほっとけないんですよ。」と言った。

 


 「......!??????」



 幸隆は、まるで終末ものの漫画のように驚いた顔をするのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る