私は自由を求め王太子殿下から逃げ延びます!

蒼井 茉己

始まり

第1話 ドタバタな日々の始まり

今日は久しぶりの晴天だ

庭に出て景色を楽しみながら友達とお茶会を開き年頃の娘ならするであろう恋バナに花を咲かせるなど面倒なことはしないで

前々から読みたかったファンタジー小説を読むことにする


私の名前はフェリシア・ユール・ディアモール

18才で一応令嬢です

一応というのはこれまで私は令嬢としての勉強やマナーなどは習ってきましたが色恋沙汰などは勝手にやってろって感じでそっち方面は全くわかりません

そのせいでお前は疎すぎる勉強しろと怒られますが……知ったこちゃない!

私は縛られることのない自由が好きなのでこうやって好きな本を読みふっけたり美味しいものを食べ出来ることなら遠い地へ行ってみたいと思っている

この本に出てくる主人公のように自分の目で耳で手で感じたいのだ


やっぱり冒険はイイ!と一人盛り上がっているとき、コンコンと扉をノックする音に続いて私を呼ぶおば様の声


「フェリシア?」


「はい!」


返事を返し読みかけの本をパタンと閉じて近くの机に置く

一体なんの用だろうと疑問符を浮かべながら扉を開けると

そこにはおば様が立っていた、

おば様は肩まで伸びた銀髪で背筋はまっすぐだ、年齢は50代らしいもっと若く見える


「フェリシア、あなたに大事な話があるの」


「えぇ、とりあえず立ったままじゃ落ち着いて喋れませんわこちらにお座りになって」

大事な話?と首を傾げながら部屋に招き入れ椅子を勧める


「えぇ、ありがとう」


「いえいえ」


「さっそくなんだけどね」


「はい」


「フェリシアは明後日に舞踏会があるのは覚えているかしら?」


「えぇ、覚えていますよ」

舞踏会に興味はないがリアノのせいで嫌でも情報が届いてくる

リアノはおば様の孫で私より1つ年下だ、髪はやはり銀色で胸上ぐらいの長さ

目の色は薄いピンクでクリクリしている、身長が小さいしあの目で見られたらそこら辺の男共は一発ノックアウトなのではと思ってしまうほど可愛らしい


「それにリフェール殿下が出席することは?」

へぇー、王太子殿下が出席なさるのか

これは初耳だ


「知りませんでした」


「はぁ、やっぱりね」

おば様は眉根に手を当て溜め息を溢す


「だって舞踏会には参加する気は元々無いので……」

舞踏会なんて男女関係なく下心ありありで近づいてくるし修羅場になる可能性があるところだ

そんな地獄みたいなところ誰が好きこのんでいくか!

なのに……

「ダメですよ」


「えっ?」

聞き間違えかな?

「今回は貴女もなにがなんでも参加しないと!」

聞き間違えじゃない……おば様はあの地獄へ行けと私に言っている!

そもそも理由は?と思い疑問を口にする

「前までは私の好きにして良いと言っていたのにどうして?」


「フェリシア、貴女はもう18才なのよそろそろ婚約者を見つけないとどうするの!

私はフェリシアに幸せになってもらいたいから言っているのだから今回ばかりは出席してちょうだい

それに明後日の舞踏会は殿下の結婚相手を探すためなの、それに殿下に召られなくたって良い出会いは必ずあるわ、意味はわかるわね?」


「心配しなくても大丈夫ですよ、私は地味ですし誰も寄って来ませんし……

ですから舞踏会に出席してもしなくても変わらないと思います」


「変わります!、フェリシアは磨けば原石になるんだからすぐ見つかるわよ!」

「ですから……」

「さぁ、張り切って今から準備しましょうねー」

話は終わったとばかりに笑顔で出ていくおば様の背中をただ見ていることしかできなかった


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