第8話子神の少女シャルティ
「やりすぎたあぁぁああぁあ!!!」
蒼太が少女と落ちていったのはもともとが空洞だったのか蒼太が破壊したとは思えないほどきれいな半球の空間だった。
蒼太は意を決して少女が落ちてくるのを抱き止めた。それは偶然にもお姫様抱っこの状態になっていた訳で。少女が恥ずかしいのか手足をバタつかせるので、蒼太は少女を下ろしてやった。
「君、何て名前なの?」蒼太は少女に話かけた。
「私の名前はシャルティ。」少女は小さい声ながらも蒼太の問いに返事をしてくれた。
「そっか、シャルティはあの貴族の奴隷だったんだよね。ならもう大丈夫だよ。あの男はもういないからね。」
「あいつが、いようがいまいが関係ないんです!この《隸奴の首輪》がついている限り私は奴隷の運命から逃れられないんです。」シャルティは今までで一番の大きな声で叫ぶように喋っていた。ここまでなら、なんとかしてあげたい。メフィア‼なんか良い手はないか?
《主様なら簡単に壊せますよ。「全統神の名において命ず。真神たる我が意の阻害をするものよ破砕せよ。」と仰ればいいのです。》
「全統神の名において命ず。真神たる我が意の阻害をするものよ破砕せよ。」
蒼太がメフィアに言われた事をそのまま口に出すと、一瞬の内に隸奴の首輪は消え去った。
「これで大丈夫だよ!」蒼太はなるべく明るい声で話かけた。
「ない。あの首輪がない!」シャルティは嬉しそうにしている。「それに全統神様って言いました?全統神様とは知らず失礼をいたしました!!」シャルティはだいぶ焦っているようだ。
《主様、よろしいでしょうか?》蒼太がシャルティの扱いに困っていると、メフィアが声をかけてきた。なんだ?
《シャルティは子神かと思われます。》おい、メフィア子神ってなんなんだ?俺はそんな言葉わからないから教えてくれ!
《失礼しました。それでは、子神について説明させていただきますね。子神の説明をするにはこの世界について知ってもらうことが必要です。
まずこの世界には主様のように神と呼ばれる存在がいます。主様はその中でも最上位の真神と呼ばれる存在です。その神たちは、天界にいることに飽き下界へと次々に降りてきました。そして、神々は人族などに紛れて生活をしていました。そこで、普通に生活していました。しかし、神々は子供を下界の人種との間になしました。それが、子神と呼ばれる者たちです。子神は神ではありませんが、強力なスキルを持ちます。ある日、神たちは申し合わせたかのように全員が人々の前から姿を消しました。そして、子神は神ではありませんので天界へ行くこともできず。下界で暮らすことを選択せざるをえず、離れ離れとなってしまったというわけです。》なるほどな、この子は、親に会うこともできてないのか…。
この子の親の神の名はわからないのか?
《申し訳ありません、母親が神であろうということくらいしかわかりません。》
それだけでもわかるのなら捜すのがだいぶ楽になるだろう。
「お母さんに会いたいか?」蒼太はシャルティに問いかけた。
「うん。」シャルティは消え入りそうな声で答えた。
「なら、俺と一緒にシャルティのお母さんを捜すか?」
こうして俺とシャルティの旅は始まった。
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