現実逃避レジスタンス

碧唯

初話【日記01】

数年が経ち、僕らは再会した。成人した僕らは、子供の頃の争いを水に流して、新たな1つの目標に向けて足並みを揃えた。


そして今日から、大人が足掻く様を、下らない毎日をこの日記に記しておこうと思う。


早速取り掛かりたいところではあるが、その前に再会した僕らの昔話を少ししたい。

子供たちが必死で生きた世界を少しばかり語っておきたい。

なので、昔の僕の日記の物語を記そう。

しばらく今の僕は登場しないけど、許してほしい。



メアニスト  入江 秋


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メアニスト。それはメアという大型SNSで独自の進化を遂げた組織である。

…と言えば聞こえはいいけど、実際のところは現実から逃げた中高生たちの拠り所だ。

要は社会不適合者の集い場。しかもSNS、つまり基本的に顔を合わせない状況故に人間の悪いところがこれでもかってくらい出るんだ。

僕が語るのは、現実逃避をした子供たちが、アヤトくんと朱の軍のみんなが必死に生きた日々について。


だけどその前に、軽く書いておきたいことがある。

この日記を読んでくれている人は恐らくメアニストについて知らないだろう。

だから僕から、予め説明しておこうと思う。

退屈かもしれないけど、ちょっとだけ付き合ってほしい。


そもそもメアっていうのは、携帯、PC用のアプリで、個人トーク、グループトーク、公開トークの3つがあるんだ。普通のSNSと変わりはないんだけど、メアには脆弱性があったんだ。

それで、その穴を広げて入り込んだのがメアニストだ。


どんな集団にも、荒らしっていうのは居て、メアの世界も例外ではなかった。

荒らしは一般のユーザーたちのアカウントを破壊して回った。


このままだと、自分たちの居場所がなくなる。


現実に居場所のない彼らはそれを恐れて、自分たちにできた居場所を必死に守ろうとした。

簡単にいうと、現実を模倣した組織を作ったんだ。

四色の契りというその組織は、メアニストをまとめ、総本山として機能した。しかし、メアニストの人口の増加は著しく、四色の契りだけではまとめきれなくなった。


そして、ある事件が起きた。


数千に及ぶアカウントが破壊されたその事件は、後に「二色の抗争」と名付けられ、メアニストの間で語り継がれるようになるわけだが、詳細少し後に書こう。


その事件をきっかけに、四色の契りは治安維持局を作った。


物語はこのあたりから始まる。



ちなみに、メアニストたちは脆弱性を突いたといったが、その時彼らは特殊通知、組織機能というという機能を追加した。

特殊通知は緊急時等に自分を登録している全ユーザーに一斉に通知を送信する機能。

組織機能は同じ系列のグループの情報1つのグループで管理することができる機能だ。

主に四色の契りや治安維持局が使用している。


大体こんな感じかな。お待たせしました。じゃあ物語に入ろう!

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