第34話
コンビニであれこれ聞いて関心するウェインさんに付き合わされて2時間が経った頃。
「それではそろそろ帰りましょうよ。ウェインさんもお腹空いたでしょ?夕飯用意しますから」
と俺がそう言ってウェインさんをコンビニから出した。
ウェインさんにせがまれてポテチを買い、家に着くまで食べたらいけないと注意して家まで歩いた。
※
家に着くとウェインさんは手を洗い、うがいをして俺の部屋でポテチをおいしそうに食べた。
「山城、このポテチというのはかなり独特の味わいがあって酒のつまみになりそうだな」
「床汚したらだめですからね」
「解っている。いつかのミノタウロスの肉を渡した仲ではないか。そうだミノタウロスの肉も出そう」
「夕飯食べれなくなりますよ?」
「そうだな。それならあのカレーとか言うやつ以外にも食の文化を広めなくてはな」
「カレーって結局ウェインさんの世界で広まったんですか?」
「ああ。今は色んな地域で順調に広まりつつある。今後が楽しみだ」
ウェインさんにカレーをご馳走したあの時にレシピを教えたのでウェインさんの世界に食の部分で影響が出たようだ。
「それは良かったですね。俺もウェインさんにカレーを教えて何よりです」
「あれは大発見だったぞ。この世界にこれて良かったと思っている」
「それはなによりですね」
「もちろんカレー以外にも素晴らしいものがこの世界にはあると思っている」
「そうですかね、長い事この世界にいますけど気づかないですよ」
「それは山城がこの世界の住人で他の世界に行ったことがないから気がつかないだけだ」
「そういうもんですか?」
「そういうものだ」
俺達の会話がまだ続きそうな頃に母親から夕食の準備が出来たことを下の階から聞かされた。
ウェインさんのことをどう説明しよう?
「とりあえず今日はもう帰ってくれませんか?」
「すまんが前にも言ったようにすぐには帰れないんだ。魔法の法則上仕方なくここにいるしかない」
「ウェインさんがどういう人物にするか設定が浮かんでこないんですよ」
「前言っていた留学生ではダメなのか?」
「うーん、でも俺女の子の留学生を家に入れたと知れれば母さんが騒ぐと思うし…」
俺がそんな事を言っている内にドアをノックする音が聞こえた。
「何やってるのご飯だから下りて来なさい」
母さんの声が聞こえる。
俺はウェインさんをどこかに隠そうとしたがウェインさんが意味も無く抵抗するので2人で倒れ込んだ。
その時にドアが開いてしまった。
そこから先の事は思い出したくもないが俺が女の子を襲って倒れ込んだ構図に見えたのは言うまでもないだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます