第26話

 料理を終えた後は冒険を再開し、活力を戻した俺とウェインさんとレオンハルトさんにラーズラースさんはキャンプ道具を魔法で収集し、ギュフイの方角に歩いた。

「ウェインさん、ギュフイまであとどれくらいかかるんですか?」

「そうだな。今日城門を抜けてハリソンの街まで行くだけで一日が終わるからギュフイまでは先だろう」

「瞬間転移魔法使いましょうよー」

「すまない、駄目だ」

 良かった。いつもの嫌なウェインさんだ。

 ラーズラースさんの後ろを歩きながら尻を眺めて1時間。

 ウェインさんが言っていた城門に着いた。

 城門の兵士とレオンハルトさんが話し合うと城門が開きそのまま通れた。

「通行証確かに拝見しました。どうぞ」

 城門を抜けた頃には夕方になっていた。

「あなた方に頼みがあるのですが」

 抜けた後に城門の兵士に止められる。

「なんだ?」

 ウェインさんが可愛い顔で兵士を見る。

「もしよければ城門の兵士の訓練を手伝ってもらえませんか?」

「何故だ?」

「あなた方が強い冒険者の集団に見えたので是非うちの兵士を鍛えて欲しいと思って迷惑でしょうか?」

 すっげーめんどくさいことを城門の兵士は言ってきた。

「それなら山城とレオンハルト殿の2人でいいだろう。2人ともやってくれるな?」

「はい、それくらいならよろこんで」

「なんで俺もやるんですかウェインさん」

「山城位の強さの奴もいた方がいい。第一山城も特訓になる」

「そうですか、わかりましたよ。やります」

 俺とレオンハルトさんに衛兵2人はそれぞれ配置についた。

 隊長らしい人が真ん中に立ち戦闘開始の合図をする。

「木製の武器を持って訓練を始める。それでは、はじめ!」



 結果はレオンハルトさんの一人勝ちだった。

 俺はというと衛兵の攻撃を木槍で防いだことくらいだ。

 ダメージは無いがダメージも与えていない駄目な状況だった。

 ウェインさんからタオルを貰う。

「山城、あいかわらず踏み込みが足りんな」

「俺にはこれが限界ですって」

「でも頑張ってたと思うわ」

 ラーズラースさんの言葉が染みる。やっぱり優しい人だ。

「おいおい、2人を倒した俺には何の言葉も無しか酷いな」

 レオンハルトさんが不満気にそういうとウェインさんが答える。

「実に見事な戦いぶりでしたぞ」

「おおっ、そう言っていただけると嬉しいですなぁ」

「ふふっ、2人を抑えて闘った姿は本当に見事でしたよ」

 城門の疲れで結局この場はこの城門の宿舎で一晩休むことになった。

 もちろん男女2部屋分けで俺はレオンハルトさんと休むことになった。

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