第21話

 アルベジオ村に着いた後は宿を取って、そのままエリザベートさんとウェインさんは村の衣服屋に向かって進んで行った。

「簡単な服でいい」

「ダメですよ、選びますからね」

 ウェインさんとエリザべートさんのやり取りを聞きながら、俺は二階の宿屋の部屋に向かって進んだ。

 先にアルフレッドさんが部屋にいて、長風呂がしたいと言って下の風呂場に行ってしまった。

 俺はこれだけ長く歩いたのは初めてだったので布団に着いた。

 足がジンジンとするので、そのまま眠りについた。



 起きてみるとそこには女の子の服装に着替えたウェインさんが俺を見ていた。

 フリル付きのスカートが可愛らしかった。

 服はそのスカートに合わせた感じになっていて、色は朱色を基準とした色合いだった。

「山城。女の子ならこういう場合は似合ってるかな?っというところかな?」

「ええ、そりゃあもう似合ってますよ。嫌ってくらいにね」

「なんだ山城。冷たいぞ」

「ウェインさん、俺は長旅で足が痛むんです。少し休ませてくださいよ」

「じゃあ、上からダイブして抱き付いてやろうか?」

「どうしたらそういう発想になるんですか」

「すまない。そんなことする気もないので安心だけはしてほしい」

「だけってなんすか…」

「言ってみただけだ」

「そうですか、それじゃあ俺はまだ足が痛むので休ませてもらいますよ」

「そうかそれなら私はエリザベート殿とアルフレッド殿と共に村を回って食事を取ってくる。山城は宿の食事で済ませてくれ」

「俺だけハブられてるんですね。そうですか、どうぞ行ってきてください」

「ちなみにな」

「何ですか?」

「シャムシャム村の名物はシャムシャムアイスと言ってとてもおいしかったんだ」

「何故前の村の話を今頃になってするんですか?」

「そこの名産品をみんなに内緒で食べてきたからだ」

「寝る前から嫌なこと言いますね。全くもう最悪ですよ」

「魔法で錬成できるが食べるか?」

「寝る前にアイス食べたらお腹壊しますよ。要りません」

「そうか、それは残念だ。最後にだが…」

「まだあったんですか」

「アルフレッド殿がエリザベート殿に告白したら振られたらしい」

「なんか今後の旅にとってきまづくないですか?」

「今アルフレッド殿が村の倉庫の隅で泣いていて、エリザベート殿が励ましているそうだ」

「なんだかなぁ」

 俺はベッドで横になりながら、そんなどうでもいい情報を聞きながら、早く寝たいのでウェインさんに出ていってもらいたかった。

 はやくウェインさんの呪い解けないかなぁ。この旅は正直気が滅入りそうだ。

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