第18話

 ウェインさんが旅の途中でスライムの群が大移動しているのを教えてくれた。

「見ろ、山城。あれがスライムレースで良く使われるスライムだ。早そうだろう?」

 ウェインさんが自慢げに行ってくるも、俺には青い液状の物質が凄い速さでモゾモゾ動いているように見えて気味が悪かった。

 スライムって目がつぶらで可愛いけど、動きがキモチワルイな。

「スライムは喋るんだぞ」

「えっ?本当ですかウェインさん」

「モンスターは知能の高い種族が多いですからアンデッド系を除けばほとんどが喋ります」

 エリザベートさんが追加解説してくれた。

 この前戦闘していたオークも話が通じた訳だ、なるほど。

「スライムレースは僕も好きですよ。よく隣の町まで見に行きますしね」

 アルフレッドさんが話に乗ってきた。

「隣に町があるんですね」

「はい、反対側の方角にあるドミンゴって名前の街です。スライムレースはそこで行われますね。レースは色んなスライムが出てきて盛り上がりますよ」

 アルフレッドさんが熱心に話す。

 スライムの群れを見ながらそんな話をする俺とアルフレッドさん、そしてウェインさんもスライムレースが好きなのか横から話題に入ってくる。

「アルフレッド殿、この前のスライムレースは燃えましたな」

「ええ、2番のスラッキーに賭けてたんですけど」

「私は8番のスラミチに賭けましたが、あれは熱いレースでしたな」

 ウェインさんとアルフレッドさんが盛り上がっている中で、エリザべートさんは空を見ていた。

 同じように空を見ると飛空艇が空を飛んでいた。

「エリザベートさんあれって飛空艇ですよね?初めて見ました」

「そうなのですか?この村の辺りでは定期的に飛空艇がお客と荷物を運んでいるのでよく見かけます」

「飛空艇って乗ると値段が高いんですか?そこからギュフイまで行けば楽に行けそうなんですけど」

「飛空艇は我々の資金では乗るのは厳しいですね。私は歩くのは嫌いじゃないので別に乗りたくもありませんわ」

「そうなんですか、でもいつか乗ってみたいなー」

「だいたい1人あたり90万ゴールドかかりますね」

「高っ!」

「山城、ちなみにゴールドは山城の世界の円とそう変わらないと思うぞ。コンビニに行った時に値札をみたがどれも私たちの世界と似たような価格だった」

「マジですか?」

「マジどころか、真面目も真面目。大真面目だぞ。山城」

 ウェインさんは体育の休めの姿勢でそういった。

 この世界って緩いのか辛いのかだんだん解らなくなってきた。

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