第11話

 教会で村1番の美人のエリザベートさんに出会って、俺とウェインさんはグダグダに会話を続けていた。

「あなた達は私に用があるんですよね。何の用なんですか?」

「この村に1番の美人がいるか、そこにいる山城と賭けをしていたのだ」

「それが私と何のつばがりがあるんですか?」

「いや、エリザベートさんが美人だったので賭けは終わっちゃたんですけどね」

「そんなことのために教会まで来たんですか!」

 エリザベートさんは怒っていた。

 そりゃ賭けの対象にされれば怒るわな。

「いやそれだけではない」

 ウェインさんが可愛い顔をして前に出る。

 女性になっていたから無い胸を前に出してちょっとエロかった。

「他に何があるんですか?」

 エリザベートさんはイライラが表に出つつも話を聞いていた。

「ギュフイの都市について聞きたいこともあったのだ」

「ギュフイですか?あそこはかなり遠い場所にありますね」

「そうなんですかウェインさん」

「ああ、シャムシャム村からだとだいぶあるな。遅くて1か月はかかる」

「そんなかかるなんて聞いてないですね」

「そこでだ」

 ウェインさんはエリザベートさんをまっすぐとみる。

「エリザベート殿も一緒に来てもらいたい」

 ウェインさんはサラッと予想もしないことを言った。

「えっ、ウェインさん何言ってるんですか?」

「私も旅に同行ですか?村長である父さんの許可も無いと行けませんし、教会のこともありますので難しいと思いますよ」

 しかもエリザベートさんは行く気満々である。

 なんなんだろうこの展開は?俺はちょっと困惑していた。

 エリザベートさんが旅に出れば楽しい雰囲気になるのかな?

 そういう旅の妄想をしたら、なんだかエリザベートさんもパーテイに加えてみたくなった。

「ウェインさん、どうしてエリザベートさんと一緒に同行しようと思ったんですか?」

 まさかなんとなくとかじゃないだろうか?

 いや、ウェインさんならあり得るだろうな。

 それに僧侶必要なんだろうか?

 試しに聞いてみた。

「ウェインさん万能なんでしょ?エリザベートさんは僧侶だけど回復必要なんですか?」

「山城が負傷した場合に必要だろう。私が不在の時にエリザベート殿がいれば安心感が増すからな」

 そこまで考えてたんだ、意外だな。

「エリザベート殿、山城はあまり強くないし、冒険は未経験者だ。エリザベート殿のような回復に優れた者がいるとギュフイまでの旅が楽になる」

「そういわれましても…」

「俺からも頼みます。実際エリザベートさんがいないと俺が怪我をした時にウェインさんがいない場合に困ることがありそうですし、お願いします」

 俺もエリザベートさんみたいな美人がそばにいるのは得をした気分になるので頼み込んだ。

 それにエリザベートさんは押しに弱そうだった。

「う、ううん。そういうことならお父さんに聞いてみます」

 こうして俺とウェインさんとエリザベートさんは村長の家に向かった。

 両手に花ってこういうことを言うんだろうけど、ウェインさんの元が男だし、あまり嬉しくなかった。

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