第9話

ミサ「おー、ここが本屋さん」


ミサ「なんか本ばっかりだね」


「本屋だからな」


ミサ「・・・」


ミサ「DVD売ってるとこもあるよ」


「お前はどうしてそういうことを知ってるんだ」


ミサ「へへ」


ミサ「さ~なぜでしょう?」


「ん?ふと思ったんだけど・・」


「お前普段はどこにいるんだ?」


ミサ「普段?」


「助けるとき以外の時だよ」


ミサ「あー、こっちの世界にはいないよ」


ミサ「普段からこっちにいたら」


ミサ「もっといろんなこと知ってるはずだよ」


「そうなんだよな」


「・・にしては中途半端にこっちの世界のこと知ってるじゃないか」


ミサ「中途半端とはなんだ」


ミサ「これでも僕は成績優秀だったんだぞ?」


「成績?」


ミサ「この仕事に就くことになったら」


ミサ「まずこっちの世界のことを習うんだよ」


「そういうことか」


「ん?お前が成績優秀?」


ミサ「恥ずかしながら」


「・・こっちの世界のことがどう伝わってるのか心配でならない」


ミサ「ちゃんと学校のことも本屋さんのことも知ってたじゃないか」


「妙に歪んでな」


ミサ「そうかなー」


ミサ「ところで君のお目当ての本はなんなの?」


「んー、これといって欲しい本は今のとこないんだけどなぁ」


(お、この小説ちょっと面白そうかも)


ミサ「僕もちょっと色々みてくるー」


「おー、なんか面白そうなのあったら教えてくれー」


ミサ「なんかいろんな本があるなー」


ミサ「・・・」


ミサ「・・・」


ミサ「ねぇ!?ねぇ!?」


「なんだ?」


ミサ「18禁って何!?」


「18金??」


「んー・・一言で言えば価値あるものだよ」


ミサ「ほー・・あれが・・」


「そういうことは習わないのな」


ミサ「こういうのが価値あるのか・・僕にはよくわかんないなぁ・・」


「キラキラしててきれいだろ?」


ミサ「キラキラしてる?」


ミサ「んー・・欲してる人にはキラキラしてるように見えるのかもねぇ・・」


ミサ「ギラギラしてる人がキラキラしてるように見えるもんなんだね」


「まーそんなもんなのかもな」


「あ、本に載ってる写真自体には価値はないぞ?」


「本物が高いってだけで」


ミサ「そうなのか。僕は興味ないや」


「持ってたらいざって時に売ればお金になるけどな」


ミサ「売るの!?」


「あぁ、買ってくれるところなんていくらでもあるぞ」


ミサ「ふーん、やっぱり人間ってよくわかんないな」


「向こうの世界のやつにちゃんと誤解ないように伝えてくれよ」


ミサ「わかったー」


「せっかくだから俺はこの小説買ってくる」


ミサ「ほーい、待ってる」

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