第16話「この世に愛はあったんだ」ありがとう、スーパーマン!

4月24日

孫のわたくしにとって、祖母は家にいる人で、いてあたりまえの存在だった。


それは信頼。


いつも家族のことを考えていてくれる。


ご飯をつくってくれる。


男のひとは胃袋をつかめ! なーんて言うけれど。


祖母は胃袋をつかもうにも、食料が足りなくて栄養失調を起こしてしまうくらい、辛い暮らしをかつてしていた。


そんなときに育った彼女の長男は、胃袋をつかまれたわけでもなく、今、スーパーマンになって帰ってきた。


「そんな、おれはただ、かあちゃんの顔が見たかっただけたい!」


そういうかもしれない。


だけど! それが、それがそれがッ!! 


愛!!!


なんだってば叔父さん!!!


だからあなたは、スーパーマンになったんだってば。


被災地で車をかっとばし、本土まで「かあちゃん」を運んできてくれた。


おかげで親族は一族の源流を失わず、損なわずにすんだ。


みんなが感謝し、



「あの子は長男だから」



と祖母に言わしめる、頼りになる存在なんだってば。


ああ、この世に愛はあったんだ、と静かな喜びをおぼえます。


ありがとう☆スーパーマン!!!

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