第13話「寝させてくれよ!」祖母は寝てないかも…。
4月21日
一週間前。震災に遭った祖母が、二十一日に本土の家にくる。そういう予定だった。
しかし午後に雨。祖母のところは崖崩れや山崩れが心配。それ以上に飛行機が運転を始めたといっても、電車はまだまだというし、天気がこれでは安心して移動できない。
結果、明日の二十二日の午後に、と言うことになった。
祖母が客間で布団を使うか、倉庫、もとい空き部屋にベッドを入れて使用するかは、かの女の具合を見て決める。
もちろん、遠慮なく選んでもらうために、今日は倉庫を片付ける。
そろえておいた資料も、とっておいたままだった雑誌や、これまで書いてきたノートや原稿を取捨選択して移動、または紐でまとめる。
なぜかとっちらかっている部屋にいるとイライラが止まらないもので、どうしても精神的に疲れるから母に手伝ってもらった。
うーん。だいぶスペースは空いたけれども。それでも、うずたかく積まれたカラーボックスが不穏な感じ。震災で家の一部が倒壊したという祖母。立っていられないほどの、マグニチュード7以上の地震を経験してきた、彼女が恐ろしがるといけない。
戦争体験だけでも大変な苦労なのに、91歳になってから、どうしてこんな目にあうと予想がついたろうか?
今夜は眠れるのだろうか?
きっとまた、車の中だ……足が痛かろう。
我が家では、ベッドだって今日明日に買い入れるのは手続その他で難しい。まずは客間で勘弁してほしい。精一杯、もてなすから。
倉庫部屋はわたくしの大事なものが満載だ。自分の使っている部屋に移動させるにも量が多い。
そんなわけで、今、わたくしの部屋は机の上も、床も、ベッドの上も、倉庫から持ってきたものでいっぱいだ。今日もリビングのソファで寝るのを許してほしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます