第12話「祖母は大腿骨を骨折していた」…。
4月20日
きょう未明、父から電話がある。
母はそれで目が覚めて睡眠不足をぶつくさ訴える。
電話の内容はといえば、祖母が家に来る日が何日か、というもの。
母も父も、わたくしの資料室にベッドを入れる気らしい。
今日、床に置いてあるものと、いらない漫画だけでも処理するように言われた。
そんなこと言われたって、ゲームもDVDもCDも捨てられないから、資料室なる倉庫をつくったのだ。
おまけにカレンダーとか、ファイルとか小説とか、画集とか。
むかしからの趣味で捨てられないものばっかりだ。
祖母は客間で寝起きしてくれればいいのに。
となりがリビングでキッチンつきだし、トイレも洗面台もある。
ないのはベッドとお風呂くらい。
祖母が足を傷めてさえ、いなかったらなーと、都合よく考える。
☆☆☆
後日、母に確かめたところ、祖母は妹たちのバレエ発表会の会場で、階段から転げ落ちて、大腿骨を折ったらしい。
下手をすれば一生歩けなくなるところだった。
しかし、無事だったのである!
病院では模範生で、先生の言うことを真面目にまじめに、忠実に守った結果といえるでしょう(母談)。
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