乳様には勝てねェや

きゅうた

　人を孕むということは、本当に神秘的な出来事だ。学校で人体の仕組みを学び、性教育を受けて、友達から初体験エピソードを聞いて…子供の作り方は歳を重ねると徐々に明らかにされるものである。神秘。神様の秘密という文字が示すように、新しく人をこの世に送り出す作業はどこか謎めいていて、多くは語られぬ秘密がたくさん隠されているようで、興味が尽きない。

　私は小学生の時から、とにかくこの妊娠出産について、知りたいことが山ほどあって、ドキドキとわくわくを胸に成長した。ズンズン大きくなるお腹。酸っぱいものが食べたくなるなど嗜好の変化。自分ではない自分になる感じ。そして『鼻からスイカが出る痛み』と評される陣痛を乗り越えての出産、未知の生き物・新生児との生活。それは一人の人間の身の上に起きるには、あまりにも急激で大きな変化である。色々な人に出産エピソードを聞いたり、体験記を読んだり、育児ブログを覗いてみたり、情報はしこたま仕入れてみたけれど、それでもやっぱり分からないことがある。幸いなことに、私の性別は女で、実体験が可能！

　そしてこの度、運よく妊娠・出産を経験することが出来たので、私が集めた情報になかった体験・もっと詳しく知りたかった現実を、誰にというわけではないが、伝えることが出来たらと思いここに記してみることにする。特に産後の細かいあれこれは私の情報収集能力では事前に知ることが難しかったので、どうでもいい情報も含めて詳しくお伝えできればと思う。

　あくまで私の場合という前提ではあるが、人を生み出す前後ってこんなことが起きるのか―と、ほんのり興味を持っていただけたら幸いである。注意として、この分野は個人差がかなり大きいので、私の体験はあくまで参考程度にとどめていただき、皆が皆こんな感じだと誤解されないようにしていただきたい。妊娠・出産は本当に人それぞれにドラマがあり、面白い発見や事実がたくさんあって飽きることがないので、まだ妊娠を経験されていない方、する気はない方、永久にすることのない男性の方も、少しでももっと知りたいなと思われたら、巷に出ている様々な情報媒体を読んだり聞いたりすることをお勧めする。別に少子化に貢献しましょうなどと言うつもりはない。ただ単に面白いのだ、人を産むって！