本当は大好き
さざなみ
+++1+++
「あゆみって誰?」
学校の屋上で
あたしは
彼氏の“はず”の亮に聞いた。
亮「あぁ?友達」
「じゃぁ、なんで好きなんてメール送ってるの?!」
亮「・・・」
「亮!!!言ってよ!!」
亮「もぅ、別れようぜ」
「は?」
亮「俺、お前みたいな気の強い女嫌いなんだよ。
お前歌手目指してっから相手してくんないし?」
「そんなッ」
亮「じゃッ」
「・・・ッ」
バタン
こんな終わり方ありな訳?
「なんなんだよ!!」
ガン!!
「いってー」
足を押さえる・・・
あたし、
神山春奈
歌手志望。
昔っからの気の強さで
男運が無い。
春奈は
学校ではもてるのだが・・・
あ〜〜
亜美「何ー?まーたふられたの?」
「あたしは悪くねぇよ」
亜美「春奈は、顔はカワイイし、モテるんだけど、
その口の悪さと気の強さがな〜」
「うるさいな〜」
亜美「ま、歌手になればもっと人気ってもんよ」
「歌手になりたーい」
キーンコーンカーンコーン
亜美「あ、チャイム」
「あーサボる。屋上で歌の練習してくる」
亜美「また?オーディションに出るの?」
「まだそんなレベルないわ」
亜美「まーいってらっしゃいー♪」
バタン
「はぁ〜」
屋上に寝ッころがれば
空に雲が浮かんでる・・・
「さすがにふられるの3回目はきついカモ・・・」
こんなときは歌を歌おう!!
あたしはいつも強がって
本当は甘えたいのに
そうやってるうちに
居なくなる
そんなの悲しすぎる
でも
あたしは強いんだから・・・
甘えてはいけないのよ
がたッ
ビクッ
振り向けば
小さな男の子が
物陰から・・・
「あ」
ヒロ「あ」
「あ、あんた、隣のクラスの!!」
ヒロ「小山ヒロっす」
「なななななんで居るの?」
ヒロ「サボり・・・」
「いいいいつから居るの?」
ヒロ「この授業の始まりから・・・」
ええ!!
「歌・・・」
ヒロ「神山さん、上手いね!!」
そう言って、物陰から出てきた
こいつ、犬?
し、しっぽが見える!!
「上手い?あたしが?」
ヒロ「うん!!ココでいつも歌ってるよね」
「なんで知ってるの?」
ヒロ「いつもココに俺、居るんだけど」
「はぁ?」
ヒロ「今日も屋上に行くの見えたから、
歌うのかなって思ったナリ〜」
「いッいつも聞いてるの?」
ヒロ「俺、神山さんの歌ってる姿好きニャ!!」
「なッ・・・」
ヒロ「これ、自分で作ってる?」
「ま、まぁ・・・」
ヒロ「すげぇ!!」
「そんなの・・・初めて言われた。」
ヒロ「馬路で?」
「つうか、初めて聞かれた」
ヒロ「俺、一番?」
「うん・・・」
うれしい。
でも、こういう男結構苦手かも。
なんつうか・・・子供っぽいの・・
「じゃ、帰るわ」
ヒロ「今度いつ歌うの?神山さん」
「分からない・・・つーか、春奈でいいから。」
ヒロ「え。じゃぁ、春奈!!」
「そんな呼ばなくても・・・じゃぁね。小山くん」
ヒロ「俺はヒロだってばぁー」
バタン
ヒロ「春奈・・・春奈!!」
「うるせー奴だな・・・」
階段下りながら、春奈は思った。
その次の日から春奈は・・・
ヒロ「はるなァー!おはよ」
「お、おはよ」
なんちゅー元気;
休み時間
「はっるなー♪」
亜美「春奈〜なーんか、犬みたいな仔がキラキラさせて、あんたに手振ってるよー」
「あー・・・知ってる。」
亜美「あんた、あの純粋そうな仔に何したの?」
「人を犯罪者みたいに言うな!!被害者はこっちだい」
放課後
ヒロ「はっるなー、一緒に帰ろう!!」
「・・・は?・・・」
ヒロ「ねー春奈〜」
「今日、ちょっと用が・・・じゃッ」
ダッシュで校門を出て
そのまま走る
「はぁ・・ここまで来れば・・」
ヒロ「はっるなー」
「げっ!」
なんで?なんでなの?体力には自信があるのに!!
ヒロ「春奈、ひどいよー」
「なんで着いてこれるの!?」
ヒロ「春奈の為だから」
「なッ」
まー・・いいか。
荒工「おーカワイイじゃん」
荒工2「俺らと遊ばない?」
「なッ」
何。。これ
荒工「いいじゃん」
一人が腕をつかんできた
「いやだッて!」
ヒロ「やめてくれますか?」
え・・
荒工「なんだお前」
荒工「弱そうだな」
ヒロ「うるせぇよ。俺の女に手ぇ出してんぢゃねぇよ」
ドキン・・。
え。。
荒工「んだよ。胸クソわりぃ」
荒工「行こうぜ」
ヒロ「はるな、大丈夫?」
「え。。あ、うん・・・」
何?今のドキンって・・
しかも、なんか、男らしかった・・・
ヒロ「ねー、春奈ってさ、もてるね」
「そう?でも、あたしは気が強いって
いつもふられるの」
ヒロ「なんで?」
「え?」
ヒロ「なんで強がるの?」
「な。。んで?」
ヒロ「春奈は強がってる気がする」
「そんな事ないよ」
ヒロ「気が強い人も甘えたい人が多いよ」
「そうかな」
ヒロ「春奈はそうだよ。俺の前では強がらないでよ。
ふられても、涙流さないで、歌ってごまかすなんて」
「ばれてる・・見てた?」
ヒロ「うん。目に涙溜めて、歌う春奈から目が離せなかった」
こいつ心配してくれてるの?
ヒロ「俺のまえでは強がらないでにゃ」
ニャ?
ヒロ「ねー、春奈。なんでオーディションとか受けないの?」
「そんな実力ないし」
ヒロ「あるよ!!春奈はあるよ!」
「あんたが決めてどーすんの」
ヒロ「あんたじゃないよ!!小山ヒロ!!」
「あーわかったわかった」
ヒロ「聞いてないでしょ」
「聞いてる」
「じゃ、あたし、ココだから」
ヒロ「春奈の家、ココ?」
「そうだけど・・」
パァー・・・
ヒロの顔が輝いた
「な、なに?」
ヒロ「なんでもニャイ!!じゃぁね!!春奈!」
「う、うん」
変な奴・・
つーか、ココまで来て、あいつん家ドコだよ。
次の日
ヒロ「はっるなー、おはよー」
「おハよ、小山くん」
ヒロ「下の名前で呼んでよ」
「なんで?」
ヒロ「だって、オイラ達は愛を誓いあった「はいはいはい」」
妄想が広がるヒロを置き去りに教室に入っていく
ヒロ「はるなー!今日は歌ってね」
あーもう!!
亜美「あんたも好かれてるねー」
「あいつはあたしの歌に興味があるだけ」
亜美「そうなの」
「あーいうタイプ苦手だわ・・」
亜美「だろうね」
3時間目
暇だし。。屋上行こう・・
ヒロ「あッ春奈!」
「げッ」
バタン
ヒロ「なんで閉めるのー」
キィ・・
「なんで居るの?」
ヒロ「春奈待ってた。」
「つーか、あんたねぇ!あたし、あんたみたいなの苦手なの!」
ヒロ「え・・」
「わるいけど。。もう」
ヒロ「分かった」
バタン
何、あの目・・
すっごい寂しそうな顔されたら
アタシ、めっちゃ悪い人じゃん。
その放課後ヒロは来なかった
家
「悪い事・・言っちゃったかな・・・」
どうせ、明日になったらまたケロっとしてるでしょ・・・
その考えは全然甘かった・・・
朝
あれ。。話しかけてこない
亜美「今日は珍しくいないじゃん。小山くん」
「うん」
そのから2、3日ヒロは春奈に話しかけてこなかった
なんだろう・・
ここ何日かのヒロが思い浮かんだ
春奈〜
はっるなー
そしてあの時の
「俺の女に手ぇ出してんじゃねぇよ」
ヒロ・・・
ヒロ!!
次の日
隣のクラスに
「こッヒロは?」
「あー今日、まだ見てない」
「ありがとう」
「えーどこだぁ?」
あ、屋上!
バタン!!
ヒロ「春奈?!」
「バカ、探したんだから」
ヒロ「え?」
「あ、あたし・・」
なんか涙が・・
ほっとしたのかな・・
ヒロ「は、春奈ッ!!」
「うぅ・・・・」
ヒロ「は、春奈?俺、なんか春奈にした?」
ヒロがあせってる・・
「ううん・・あのねッあのねッ」
ヒロ「何?」
「ごめんね。。うぅッ・・」
ヒロ「気にしてないよ」
「あたし、なんかっ・・あんた居たらウザくてあんな事いッ。。
言っちゃって、でも、、でもッ・・ヒック・・・居なくなったら、なんか寂しくて・・
いつもいつも考えて。。」
ヒロ「それって・・」
「あたしッ」
ヒロ「待って」
「え?」
ぎゅぅ・・
「え?」
ヒロが突然抱きしめてきた
「あたし・・」
ヒロ「何も言わないで」
言わせて・・くれないの・・?
ヒロ「俺、春奈にああいわれたら、すっごいショックでもう春奈に話しかけられないのかなって、思ってたんだ。けど、春奈が探してくれて。。なんか、うれしくて。。
なんていったらいいか・・・上手く言えねぇケド・・」
ヒロが少し離れて。。
「?」
あたしが見上げたら・・
ヒロ「歌歌ってた、春奈に興味でくっついてたけど。。
なんつーか・・いつの間にか春奈が好きになってた。」
「え・・」
ヒロ「俺、気が強くても、春奈が好き」
「本当に?」
ヒロ「うん」
「うぅ・・・グス・・」
ヒロ「うわぁ、ごめん。」
「違う。嬉しくて。。なんで言おうとしたのに」
ヒロ「俺が先に言いたかった」
「バカぁー」
ヒロ「春奈・・上向いて?」
「ぅん?」
チュッ
ヒロ「はずかしー///」
「・・き」
ヒロ「え?」
「あたしも大好きだよ//」
ヒロ「春奈・・」
チュゥ・・・
「///」
ヒロ「春奈ぁー。大好きだー」
ぎゅうう・・・
「くるしいッ」
ヒロ「あ、ごめん」
パッ
キーンコーンカーンコーン
「「あ」」
「チャイム・・」
ヒロ「本当だ」
「戻ろうか?」
ヒロ「やだ〜うごけない〜」
「さっき立ってたじゃん。いつの間に座ったんだよ」
ヒロ「いつでしょう」
「ほら!行くよ!」
ヒロ「春奈〜手ぇー引っ張って」
「却下」
ヒロ「はるな〜」
スタスタとドアに行く春奈
それを見送るヒロ
くるッ
「何やってんの?ヒロ、置いてくよ?」
手をヒラヒラさせて言う
目を輝かせたヒロがぶっ飛んでくる
ヒロ「はるなー大好きー」
ぎゅっと手を繋いで階段を下りていく
ヒロ「あぁ!!!!」
「なッ何」
ヒロ「今、春奈、初めて「ヒロ」って呼んでくれた」
「ノリで・・」
ヒロ「えぇーーーーーー」
あの日と同じ青空の下
手を繋いで・・・
あれから一ヶ月
ヒロの応援で
オーディションを受けた春奈は
見事合格し、ボイストレーニングを積んでいる
あの屋上で歌う歌はあの日と違う。
ぁなたが
こっちを振り向いて
微笑む
ただそれだけで
私の胸は高鳴る
もぅ
どうしようもなぃよ
あたしは強がり
本当は甘えたいんだ
でも
あなたの前では
強がらないで
いれるかな。。。
本当は大好き さざなみ @Sazanami_s
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。本当は大好きの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます