第2話 チーム分け
廊下側の1番前の席の
桃が教卓の前に立ち、くじを引く。
「えいっ」
「何番ですか?」
桃が2つ折りにされているくじを開く。
「2番です」
「じゃあ、泥棒チームですね。次々くじを引きに来てください!」
廊下側の人たちが1列に並びテンポよくくじを引いていく。
そして、誠の順番がやってきた。胸を手で押さえている。よっぽど緊張しているようだ。
「まこっちゃんどっちかな?」
「泥棒じゃなきゃいいけどな」
誠がくじを引く。
「い、1番です」
「はい、じゃあ警察チームね」
「ふぅ、これでひとまず安心だな」
「後は、私とはやとが警察になればオッケーだね」
誠で廊下側の生徒が全員引いたことになるので、次は俺たちの列の番だ。
誠が机の上で手を合わせナムナムと祈っている。恐らく俺とこころが警察チームになることを祈っているのだろう。
「じゃあ、ひっきまーす!」
こころだけ明らかにみんなとテンションが違う。明るすぎる。
「あっ! 2番だ……」
「はい、泥棒ねー。次どうぞ」
こころが誠の方を見る。誠は、先程と変わらずまだ祈っていた。
俺は、1番を引いても2番を引いてもどっちかとは敵になるのか。
クッ。緊張の一瞬。箱の中に手を伸ばす。
「俺も2番だ」
「はい、泥棒ね。次の列どうぞー」
俺とこころが席に戻る。
誠は、机にベターっと失せていて絶望していた。
「誠、敵にはなっちまったけどお互い生き残ろうな。俺ら親友3人組全員揃って」
「そうだよ、まこっちゃん頑張ろ!」
誠が顔を上げる。
「はやと君、こころちゃん。うん。僕、頑張る」
全員がくじを引き終わりチームメンバーが確定した。
「廊下側に泥棒。窓側に警察が集まってくれ!」
担任の林が指示を出す。
「じゃあね。はやと君。こころちゃん」
寂し気に誠が窓側に向かった。
15人ずつ分かれてお互いのメンバーを把握することができた。
俺とこころがいる泥棒チームには、クラスで1番目立つグループに所属する
それと最初にくじを引いた
もちろん言うまでもなくこころはもっと可愛い。
あまり関わったことがない奴も数人いたが、結構いいメンバーが集まっていた。これはいけそうだ。
一方、誠を含む警察チームはクラス委員の
他には、野球部のエースの
俺たちのチームは、いいメンバーが集まったと思ったが、くじ引きでうまい具合に均等にばらけたようだ。
「それではみなさん。ゲームは、正午から始めますので残り数時間作戦を練るなどしてお過ごしてください。時間になったら私たちは、またここに来ます」
「お前ら頑張れよ! としか先生は言いようがないんでな。頑張れよ!」
佐々木と付き添いの人、林先生が教室から出て行った。
ゲーム開始まで刻々と時間が迫る。
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