「らんちう」

煩先生

 

夢で出逢った

名も無き少女

その残り香を

未だに信じる


僕は君の事が

喉は裂かれた

僕は君の事が

腕は捥がれた


水槽の金魚を

海に還すたび

少女が溺れる

憂世と重ねた


想えば君まで

水面は揺れる

想えば君まで

辞別は冷える

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

「らんちう」 煩先生 @wazurai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ