3回戦に誰出すか決める前に書き始めてる
「さて、敗者の津古未さんですが……」
「おい、お前らなにすんねん!やめろや!」
津古未の抵抗も虚しく、何処かへ連れ去られていく。
「このデスゲームネタなんなの?面白いと思ってるの?そんなに、だよ?」
ってな訳で3回戦へ。
「続きまして、3回戦へ移ります!!」
「3回戦!
元気の塊のような司会者の話が終わりを告げるやいなや、ある男が姿を見せた。
夏の夜、月光が照らすのみとなった闇色の帽子。胸からは、何者かに刺されたかのように鮮やかな紅の蝶型ネクタイが吹き出す。夕方、ポツンと立った銭湯の煙突から伸びる影法師みたくスラリとした足を、水がほとんど降ってくることの無い砂地に住む渇きに強い昆虫の皮のようなデニムが包んでいる。あからさまに足自体との大きさが合致していない履物は、磨ききった銅板のようにつやつやと光っている。
「僕が話しかけるということは、君は美琴ちゃんなんだろうな。」
「めんどくさ!この人1番めんどくさ!!」
激昂から顔が火照る美琴は、少々激しめのステップを踏みながら言う。
「地の文も何なの?その……文体。文体というか、うーん。なんかいつもと違う。」
首を横に-と言っても、90度より深くといった程では無いが-曲げながら、17の少女は呟きを漏らす。
「しんどいよ。なんかテンションが違うよ。ってか私って17歳だったんだ。そのことはもういいけど。喋ってくんないし。」
その小さな唇から溜め息が零れる。普段は周りに明るさを振り向く笑顔も、今は曇り、疲れを感じさせる。
「あれでしょ、名前。私は
「仮にそれが正しいとして、君に何か変化があるというのかい?」
ツカツカと子気味良い音を立てながら迫ってくる鳥片。
「さぁ、僕の
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます