歪みとオレンジ

手に触れた感覚と 

横顔の淡い頬に

目に残るオレンジのチーク


白いシャツを着る僕は


どんな時も

君に馴染めるように


自分を形容しない


そんなある夏の日の刹那



歪んでいた


僕の恋は


理想を君に当てはめただけ


終わりのないそのループに

オレンジの終止符が落ちた




夜に咲いた花火と

風に吹かれて揺れる水面

先歩く幼い君に

僕が感じたオレンジの味


優しさを演じる僕は


こんな今でも

君に似合うように


自分を形容される


そんなある夏の夜の刹那



歪んでいた


僕の思いは


現実と釣り合わないから


終わりのないそのループに

オレンジの終止符を打った




疑った自分自身に

滲んだオレンジの歪み

変わらない笑顔を君に向けても


「それでいいのかな」と




歪んでいた


それはいつから?


夢に描けない僕等の関係


終わりのないそのループは

オレンジに救われて


泣いた


泣いたんだ


「終わりが来る」って


振り下ろされるその終止符に

僕は「ごめん」って叫んだ


その刹那


すべてが崩れる音がした




耐えきれなかった歪みとオレンジ

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