人は未だ生きる兵士



そうして、伝わってしまうのはなぜだろう


誰かに訪ねてみても人は知らない


どうして、伝わってしまったのはなぜだろう


私も誰も知らないし知りたくもない


目を合わせないよ 聞きたくないよ


怖いから 響くから


目をくり抜いて 耳を削いで下さい


考えたくないから 思いたくないから


脳と心臓を移植して下さい


なぜ 伝わってしまったかのように


人は気持ちが隣にいる


そして 伝わりたくないように


人は気持ちから離れ跡を彼が追う


無視してよ 邪魔になる


昨日から明日までの小さい鬼ごっこをいつまでも


夕焼けになる前に帰るのよ


伝わることは時間と共に気持ちになっていく


優しい気持ちを盾にして 悲しみの気持ちを剣にして


その兵士は生きるという戦場で前に出るだろう


苦しい時代を傷として 楽しい日々を証として


その兵士は生きたという過去を語るだろう


さようならを繰り返し おはようを繰り返す


お互いの離れた言葉で 人は時の龍を呼んでいる

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