長い夜に降る雨は
あき @COS部/カレー☆らぼらとり
初稿 (2000年)
一. ガラス玉
「はぁ…。疲れた…。寝とこ…。」
私は勝谷円。今日も私は、塾から帰っている途中、電車の中で寝ている。いつもと変わらない毎日…。いつも十時に家路に就く。帰りたくないなあ…。気がつくと私は見たこともない土地まで来ていた。降りなきゃ。私は次の駅で降りると男の人が一人立っていた。私はなるべく近づかないように、帰る電車を待っていると、さっきの人がやってきた。
「これをあげましょう。これはあなたが持っている方がいい。」
いきなり話しかけてきた。私はもらってはいけないと思った。
「私、いりません…。」
彼は笑顔で答えた。
「これは、今までの自分を変えたい人が持つものなんだよ。」
そう言われると、私は彼の取り出したガラス玉を見つめた。なんだか吸い込まれそうになった。
私は気がつくと、電車の中にいた。今のは夢だったのか。私がそう思っていると電車は駅に止まった。
「終点、時の夢、時の夢でございます。お忘れ物はないようにお降りください。」
私は聞いたこともない駅で降ろされてしまった。私は仕方がなく帰りの電車を待っていた。すると、私と同じくらいの男の子がやって来て、私に話しかけてきた。
「僕の家にようこそ。君は勝谷円さんだね。」
私は見知らぬ人からいきなり名前を呼ばれたので驚いた。
「どうぞこちらへ。」
「私は帰りの電車を待っていますから。結構です。」
「電車は来ませんよ。明日の夜まで。」
私はそんなことを言われたが小一時間舞っていた。しかし、電車はやはりこなかった。
「行きましょう。円さん。」
私はしかたなく、彼についていくことにした。
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