ごみ箱

七草茉那

琥珀色 Ⅰ

宝石


──通称『宝石吐き病』

名の通り、突然口から宝石を吐き出す病気。

今のところ病に掛かる前兆などは確認されておらず、感染経路も明らかになっていない。約1000万人に一人の確率で感染者が出ている。子どもから高齢者まで、老若男女問わず幅広い感染が報告されている。

吐き出す宝石は本物。


タイプは二つあり、一つは一ヶ月に一回程度不定期に宝石を吐き出すだけで、特に身体に支障がない。少額ながらお金になるということで、自ら感染したいと思う者も少なくはない、が、吐き出す宝石の種類は、確認されているだけでも1桁だけであり、限られている。

一方は末期型だとか言われており、吐き出す宝石の数は限られておらず、時には時価数億円というたいへん貴重な宝石を吐き出す場合もあるという。

ただし宝石を吐き出すごとに大切な人との記憶・思い出が大切に思う順に宝石となって消えていき、およそ一年後には命を落としてしまう。

体内でどのように宝石が作られているのか、どこで作られているのか全てが不明であり、未知の病気。

感染してもしばらくの入院のうち、すぐに退院するのが殆どである。


両者とも治療法は未だ見つかっていない。


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