第2話 他人の期待という幻想

死にたい、消えたい、もう一度生まれ変わりたい。。。

そうして悶々とする時、どうも他の人の顔がチラつく。なんだろう、何か期待に応えなければいけないというような気持ち。一方でそれができない自分に直面しなければならない苦悶。言葉にならない無限の重圧、他の人からの期待の迷路のようなものに迷い込んでいる。しかし、落ち着いて見るとそれが幻想だということに気付く。そんなことをして欲しい、そうなってほしいと本人が口にしたのか?実はしていない。勝手に自分でこういう期待をされているだろうな、というところでやっている。それで自分への期待が無限に膨らんでいく。そして破裂。死にたい、という気持ちが起こってくる。不可能を期待されているようなものだ。破綻しかない。

そして、消えたいというのは何かから隠れたいということだ。太陽や鳥の前から消えたいと思うのだろうか?いやそんなことはない。人、日頃関係のある具体的な人の前から消えたい、その人の期待には応えられないから消えたいという気持ちだ。相手とあまりコミュニケーションを取らずに期待に応えようとする時、そういう期待の爆発と自分がそれに追いつけないことへの焦り、絶望を生じてくる。

しかし、たった一人の人間ができることなど限られているのだ。そして相手も実はそこまでは期待してないよ、というのは後になって聞いてみるとよくあることだった。


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