第二十六話 下層へ
レベルとスキルチェックを終えて小休止をとっていた俺は、時間的にそろそろいいかと思い。さてと、そろそろいきますか。と心の中で声を上げると、小休止で重くなった腰を上げて伸びをした。
それから俺は、『炎の爪』や『炎の牙』で崩壊させたあとに、『火炎放射』で焼き固めて蓋をした上層と下層をつなぐ入口へと歩を進めた。
問題は、どうやって下層に降りるかだな。
うん。ボス部屋ともいえる餓鬼たちのあふれかえる階層に火を放ち蓋をしたまではいいんだが、問題は基本的に俺は下層に蓋をした蓋を、物理的に持ち上げたりしてどけることができない。
理由は簡単だ。
あくまで俺の体は無機物である火でできている。つまり物理的な物質である蓋に直接触れることができない。
とはいえ、方法はある。
要は蓋を持ち上げるのではなく破壊すればいいわけだ。
ただそれにはスキルを使わなくてはならない。スキルを使うということは多少ながらも、MPを使うということだ。
蓋をした下層がどうなっているかわからない以上、できれば無駄なMP消費は避けなければならない。
が、そんなことを言ったところで、スキルを使って下層との蓋を上げる以外に、俺に選択肢と呼べるものがなかったので、仕方なしに俺はスキル『炎の爪』を使って、下層とつながっている蓋を破壊することにした。
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