第十八話 ステータスチェック

 炎獅子に進化した俺はステータスチェックを行った。


 名前 なし

 種族 炎獅子 火の玉族や大火の類縁(無機物)

 状態 並


 レベル 1/35

 HP 10/10

 MP 12/12

 攻撃力 0

 防御力  0

 素早さ 7

 呪力  12


 耐性

 耐火 +30

 耐水 -


 スキル 火の粉  レベル5            浮遊 レベル5 

     火の玉特攻 レベル2

大火 レベル4

炎の爪   レベル1

炎の牙 レベル1

     炎の渦   レベル1

     火炎放射  レベル1


 特殊スキル 物理無効

四肢歩行

       

 特性スキル 燃え移り レベル4

       寄生   レベル4


 称号 集団殺し

    残虐

    無慈悲

    狡猾

    うかつ 

    大物殺し


 装備 なし


 相変わらず攻撃力と防御力がないのは、無機物なのだから仕方ないな。そう思いつつステータスの他の項目に視線を向ける。


 おっ素早さが約二倍になってる。これは素直に嬉しいかも。やっぱどんなに強くなっても素早さがないと攻撃もあてられないからな。

 

 それと進化したから、新たなスキルが追加せれてるみたいだな。炎の爪に、炎の牙、それと炎の渦に火炎放射か。うん。名前だけ聞けばどれも炎獅子っぽくて悪くない。あとは威力だけか。


 それに、称号に大物殺しが追加されてる。これはあれだ。多分餓鬼王と武人死人を弱り切っているところとはいえ、倒したからだな。だからその称号分の実力は今の俺にはない。いずれあの二体はまともにやり合って倒してみようと心に誓った。


 で、肝心の新スキルは、早速試してみたい。なぜなら、スキルの威力を把握しているかいないかで、戦術のはばが広がるからだ。


 まぁとりあえず、俺は新たに生まれた四肢で大地を踏みしめる。

 

 炎獅子も無機物だからか、少しいや、かなり軽いが、足の裏に大地を踏みしめる感触があった。


 くぅ~っやっぱ無機物とはいえ、大地を踏みしめる感触はいいぜ❗ 


 俺は久方ぶりに感じる大地を踏みしめる感触に感動して、犬や猫がやるように、背中を伸ばし大きく延びをした。


 それから足の裏の感触を再び確かめるかのようにして、庭に雪が降った時に子犬が、雪の上を駆け回るように、餓鬼や死人の闊歩する大地を子供のような走り回った。


 さてと、ひとしきり大地を走り回り、四肢の感触を確かめた俺は、進化先を選ぶ際に現れていた文言のことを思い出していた。


 確か進化先の説明では、ここは餓鬼地獄とあったはずだ。


 ということはだ。多分俺のいるこの異世界は、俺が生きていた頃の世界で語られていた地獄みたいなところなのではないだろうか? だとしたら、俺が今いる餓鬼地獄以外にも、地獄があるはずだ。


 俺はそう思って俺が火の玉に転生する前にいた世界で語られていた地獄の世界のことを思い出そうとするが、なぜか頭に靄がかかったように思い出すことが出来なかった。


 これが転生による記憶の欠落というやつなのだろうか? そう思いながらも、必死に脳はないので、思考をフル回転させて思い出そうとするが、まったくといっていいほどなにも思い出すことができなかったので、とりあえず俺は前世の記憶を思い出そうとすることをやめることにした。


 まぁいい。きっと前世の俺は、記憶力があまりなかったんだと思おう。


 それに、今の俺には前世の記憶が絶対に必要ってわけでもないし、今はただ自分にできることをするだけだ。


 そう結論づけた俺は、進化したせいで腹が減っていたこともあり、とりあえず新たに取得した新スキルである炎獅子の炎シリーズを試しがてら、餓鬼たちを燃やして食事にすることにした。



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