第九話 進化
とりあえず、俺が自分のステータスから、見つけた進化にはこんなもんがあった。
進化先
大火
餓鬼
死人
今進化出来るのは、この三つか。俺は一つづつ進化先の詳細を確認することにした。
大火 火の玉族。火の玉の純粋な進化形。主に火の玉の時よりも、火力が上がる。
まぁ上位種への純粋進化って奴かな。
餓鬼、食い意地が張っている。ありとあらゆる食料を求めてありとあらゆる地獄に存在し、地獄を徘徊する。
餓鬼の進化形には腐餓鬼などが存在するが、いくら進化しようと、常に飢えていて、動くものは同族だろうが火の玉だろうが、ところかまわず何でも食べようとする。そして餓鬼種には、常に飢餓が付きまとう。
常に飢えているって、さすがにそれはやだなぁ。それに俺は今腐餓鬼の腹の中にいるわけで、ここでもし餓鬼なんかに進化したら、胃液で溶かされて終わりなのでは? それに、常に飢え続けたくないし、これは却下だな。
死人、文字通り死んだ人のこと。死人の初期ステータスは、餓鬼にも劣るほど低く、見つかれば即餓鬼の腹を膨らませる餌食となるが、手先は器用。
そして、稀に進化体になるまで生き残ると、武装して、腐餓鬼などを一太刀にするほどの力を得る。
餓鬼と同じくこれは、ない。なぜなら、腐餓鬼の腹の中胃液の中で生き残れるとはとても思えないからだ。
どうしよう。大火以外地雷しかない。
仕方なく俺は、大火に進化することにした。
俺がそう決めると、頭の中に一文が流れる。
大火に進化しますか?
はいといいえの選択項が俺の目の前に現れる。
俺は迷わずはいと答える。
他の進化先が腐餓鬼の食料確定の地雷だったので、俺の選択肢は、自然大火一択となる。
大火への進化を始めます。
するとただでさえ辺りを明るく照らす炎そのものである俺の体である火の玉が、一瞬強い輝きを発した。
俺は自分の体が膨張しているかのような錯覚を覚える。
これは……破裂する!?
と思った瞬間俺の体は、弾けた。
弾けた一瞬後。20~30センチほどだった俺の体は、一回り以上大きくなり、5,60センチほどのかがり火のような大きさとなった。
おおっ俺は自分の体が変化して、力強い炎の輝きを放つようになったのを、感覚的に感じ取りながら、目に見えると言っても目玉はないんだが、感覚的な視界で大火と化した自分の体が発している。炎の色が若干濃くなったのを確認した。
おおっなんか俺強くなってるっぽいっ
喜びの声を上げながらも、俺は自分のステータスをチェックする。
名前 なし
種族 火の玉族 大火(無機物)
状態 並
レベル 1/20
HP 3/8
MP 5/8
攻撃力 0
防御力 0
素早さ 3
呪力 8
耐性
耐火 +20
耐水 -
スキル 火の粉 レベル4
浮遊 レベル3
火の玉特攻 レベル2
大火 レベル1
特殊スキル 物理無効
特性スキル 燃え移り レベル2
称号 集団殺し
残虐
無慈悲
狡猾
うかつ
装備 なし
若干ステータスは下がってるけど、火耐性も若干上がったし、新しい攻撃スキルも手に入れられた。レベル1にしてこれは、当たりではないだろうか? レベルさえ上げていけば、火の玉であった時のMAXレベルのステータスなど、きっと足元にも及ばなくなるはずだし。俺は満足げに頷き進化したことを喜んだ。
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