曲面の作り方

 型紙通りにジョイントマットなどを切り抜き、サイズはぴったり。

 しかし……あれ? 可笑しいな。

 やけにつっぱってるな?

 やけに縦幅がきつくて、横幅が広いな?

 あれ? 綺麗な円じゃなくて楕円型になっている?

 あれ?

 あれれ?

 可笑しいな? どうしてなんだろう……?

 そんな事態に陥る事が多々あります。

 はい、という訳で曲面を作る方法についてです。

 前述の通り、そのまま作成していくと変につっぱったり、綺麗な円になる筈が楕円型になってしまったりします。

 それはジョイントマットや残酷な天使のテーゼが聞こえてきそうなシートにもともとついていた癖が原因です。

 ジョイントマットは基本的に真っ直ぐとなった状態で売られています。なので、そのまま作ると変につっぱったりしてしまいます。

 残酷な天使のテーゼが聞こえてきそうなシートも百円均一で売っている小さめのものならば真っ直ぐ真っ平な状態で売られています。が、ホームセンターでは二メートル×一メートルくらいの幅のものはロール状になって売られていますので、くるんとした癖がついています。

 この癖、ちょっとデコボコした面が表になるように巻き込まれているんですよ。少なくとも、私が購入しているホームセンターに置かれている残酷な天使のテーゼが聞こえてきそうなシートは。

 なので、この癖を最初から利用して曲面を作ろうとすると、必然的にデコボコした面がアーマーや腕部の表になってしまいます。

 色を塗っても、布を貼っても、そのデコボコは隠れる事無く自己主張してきます。いくらいい感じに癖がついているからと言ってもそんな面を表にはしたくないものです。

 何もデコボコしていない反対の面を使うのですが、当然癖も反り返るようなものになります。

 そのまま使うと、下手をすれば横幅が広く縦幅が狭くなり、腕部や脚部の場合よく水滴に使われるマークみたいな形になってしまいます。ファスナーで脱着可能にするのであれば、ファスナーを絞めた後も余計に水滴マークのような形に強調されてしまいます。

 そう言った事態を防ぐ為に、意図的に曲面を作らなくてはいけません。

 私が使用していない四肢の名を関するボードではライターで炙る事により徐々に曲げて曲面を作る方法があります。

 しかしのその方法は直火で炙るので当然接する面は焼けて有害な煙が生じます。なので、そうやって局面を作る場合は屋外か換気扇をきちんと回した上で行いましょう。決して、密室では行わないように。

 ジョイントマットなどでも同じ事が出来るとは思いますが、融けたり有毒ガスが発生しそうと言う理由で、試した事は一度もありません。

 なので、必然的に私は別の方法で曲面を作っています。

 さて、私が行っている曲面の作り方ですが。それはずばり、針金を仕込む事です。

 百円均一で売っているロール状の物があれば充分です。

 それなりに固く形を保ちしやすく、それでいて好きに形を変えられる程のやら若さも兼ね備えています。なので、私は針金を使用しています。

 また、針金を仕込むと言ってもジョンとマットなどの中に刺して埋め込むのではなく、外からは見えない裏側に貼り付けると言う意味です。

 ジョイントマットでは出来そうですが、薄い残酷な天使のテーゼが聞こえてきそうなシートでは曲げた瞬間に破れそうですし、そもそも突き抜けすぎて先端が飛び出て身体に刺さると言う危険もあるのでお勧めしません。

 そう言った危険もあるので、私は裏側に仕込むだけにしています。

 では、針金を仕込む際のコツを記述して行こうと思います。

 まず、針金単体を貼り付けない事。これが重要です。

 針金は細いですので、そのままGなボンドさんでくっつけても接着面が狭いので曲げた瞬間に曲げる力に耐えきれずに剥がれる、なんて事が起きてしまいます。

 そういう時はどうすればいいのか? サンドすればいいのです。挟めばいいのです。

 ロール状に巻かれた針金を適量切り取った物と同等の長さをもつ残酷な天使のテーゼなシートを上に被せて接着すれば、剥がれる事はありません、

 もっとも、そうすると残酷な天使のテーゼなシートの消費量が増えてしまいます。私は少しでも節約する為にアーマー部分やマスク部分を作った際に出た切れ端を等間隔に配置して針金をサンドしていく方式を取っています。

 また、針金は曲げたい部分ギリギリの長さにカットのではなく、それのおよそ二倍くらいを目安に切った方がいいです。

 そうやって切った針金は途中で折り曲げて細長い楕円状を作ります。

 そうする事により、一本だけで曲面を作るよりも負担が軽減され、更には曲げによる癖をつけやすくなるからです。まぁ、あくまで個人的な観点でですが。

 細長い楕円状にした針金を裏側に残酷な天使のテーゼなシートを貼り付ける際は、まずは左右の端が完全に隠れるように接着します。

 その後は等間隔に切れ端を配置し、Gなボンドさんで接着していきます。

 接着剤が完全に乾いておいそれとは外れない状態になったら、そこで折り曲げて曲面を作ります。

 接着して直ぐだと針金の力に負けて残酷な天使のテーゼなシートは剥がれてしまいます。そうなったら、また一からやり直しで、一度剥してからGなボンドさんを塗ったくって接着しましょう。

 これで、曲面は出来上がります。しかもこの方法で作った曲面は自由に形を変える事が出来ますので、微調整を繰り返しながら自分の身体に合った形に作り変える事が出来ます。

 あと、他に曲面を作る場合ですが……曲げて重石を乗せて癖をつける。ですかね。

 私個人としてはあまり腕部や脚部には針金は仕込みたくないのでこの方法を用いています。

 やり方は針金を仕込むより簡単です。

 まだ切り抜いていない残酷な天使のテーゼが聞こえてきそうなシートを真っ平らな面が表に来るように隙間の無いようにぎゅっぎゅっとまき直し、ビニール紐や少し太めの紐で何ヶ所かぐるぐると巻いて固定。更に上に漫画雑誌数冊を長時間置いて放置する。

 以上です。

 この時、漫画雑誌が落ちないように丸めた残酷な天使のテーゼなシートを囲うように漫画の山を築くといいかもしれません。

 上に乗せる漫画雑誌は凶器と名高い分厚い月刊誌を二冊くらいを重ねるのが個人的にベストですかね。

 流石に一日では心もとないと思ったので、私の場合は三~四日くらいは放置しています。

 因みに、この時紐が細い、もしくはきつく結び過ぎていると紐の跡がくっきりと残ってしまうので注意しましょう。

 私の場合はそうならないようにビニール紐をなるべく幅広の状態を維持したまま巻きつけています。

 他には、端に布テープを貼り付けると言う手段もありますが、粘着力が弱いとそのまま剥がれますし、強く貼り付けると剥す際に残酷な天使のテーゼなシートが抉れてしまいますので加減が難しいです。

 逆に塗装にも使うマスキングテープは粘着力がそこまで強くないので端につけた程度では簡単に力に負けて剥がれてしまいます。

 マスキングテープを使う際はそれこそぐるぐる巻きにする覚悟で大量に使わなければしっかりと固定できません。

 なので、テープ類を使うのは個人的にはあまり御勧めは出来ませんね。

 ある程度日数が経ったら、紐を外して癖がついているのを確認し、それを用いてパーツを作成していきましょう。




 曲面の作り方については以上になります。

 次回はスーツや手袋、靴に付いての説明をしていきたいなと思います。

 スーツに関しては雑貨屋さんで売っている全身タイツで構いませんが、スーツにラインが入っているバイク乗りもいます。

 そう言った形状の場合は、ちょっと改装する必要が出てきます。

 また、他にはスーツに直接取り付けるパーツについての説明もしていこうと思います。

 手の甲に付けるパーツや膝、太腿に付けるパーツは劇中で見る限りでは直接ついているように見えます。

 なるべくそう見えるように、取り付ける際の工夫を記述していく予定です。

 では、また次回お会いしましょう。

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