第63話 剣強い

海視点に戻ります。


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海は、非常に困り果てていた。どれだけ、言葉を重ねようと、戦いの意思がないことが伝わらなかったからだ。


海は、今サカナの剣をレーヴァテインで受け止めて考える。もう戦うしかないと。


海は、レーヴァテインを押し出して、無理矢理サカナを吹き飛ばした。


「うあああああああああ!」


サカナは地面に転がり意識を失うが、命に別状はなさそうだ。


「よくも、サカナさんを!お兄ちゃんだからって、許さない!」


楓が、言うとエクスカリバーを抜刀した。エクスカリバーが突如輝きだす。


「死んじゃええええ!!!」


そして、海にエクスカリバーの光が、放たれる。海は、飛んでくる光の塊を、収納して、高速で楓に近寄る。しかし、楓も必殺技が効かないことぐらいわかっていたのだろう、海の動きににすぐ反応して、動き出し、距離を取る。


奇襲に失敗した海の横から、突如、銀色に輝く板前包丁が風を切って飛んでくる。


「「すべてを切り裂く板前包丁インビジブル!!」」


海は、動きが読まれたことで、一瞬反応が遅れ、板前包丁が腕に突き刺さる。


「がっ!」

「やったわ!「コントロール!」」


シャルロッタがそう言うと、海にさっさた板前包丁が、段々海の肉をえぐり取る様に、動き出す。海は、腕に刺さった板前包丁を柄の部分を掴み、抜こうと試みるが、ビクともしない。


「うっ・・・」


海は、痛みに耐えながら、何とか刺さった板前包丁を収納する。板前包丁が、刺さっていた部分から、血が噴き出いしたが、超回復水を飲んで、回復した。


海が、回復したのも束の間、突如海の目の前に、楓が現れる。楓は、拳をぎゅっと握り、海のみぞおち向けて、まっすぐ拳を突き出した。


「がっは!」


海は、勢いようく飛んでいき、地面を削りながら、壁に激突する。無駄に大理石でできた硬い床と壁に叩きつけられた。


「やりすぎちゃったかな」


楓は、そういいサキュバスに向き直ったが、地面にめり込んでいたはずの海がいない。


「えっ!」

「スリープ!」


海は、レーヴァテインを使い、魔法を想像して、残像を作り出し、楓の懐に入ったのだ。楓は、コロッと地面に転がり、寝息を立て始める。


海は、改めてレーヴァテインのすごさに驚く、レーヴァテインがなければ海は、負けていただろう。


そしてシャルロッタが、接近してくるのに気づいた海は、レーヴァテインを使い魔法を創造


「テレポート!」


海は、瞬間移動をして、シャルロッタの後ろに回り込み、先ほどと同じように、シャルロッタを眠らせた。


「終わったぞ」


海は、リリスに報告するが、リリスは、地面に座ったまま動かなかった。


「どうした?」

「な、何でもない」

「腰でも抜けたか?」

「抜けてないわよ!」


どうやら図星だったらしく、海はリリスを起こしてやるのであった。


「鈴木海、これでいいの貴方?」

「あぁ、ということで帰らせてもらう」

「そ、そう、というかあなた、その剣使えば、この城の結界なんて簡単に抜け出すことが出来たんじゃないの?」

「いや、実は、剣使わんでも拳で割れたよ」

「じゃあなんで、壊さなかったのよ」

「いや~思ったよりここの生活がよくてね、居座ることが出来るなら最後までいようと思ってさ」

「・・・・」


海は、悪びれもなく言う。リリスはそれに対してあきれた様子だったが、何処か安心した様子だった。リリスは、一応確認のため聞いてみる。


「鈴木海、貴方、私と戦うつもりはないのよね?」

「ないよ、可愛い女の子は殺さんよ」

「そ、そう」

「俺が生きている間は、エクスカリバーはお前に向けさせないから、じゃあな」


海は、それだけ言うと楓たちを連れて、ワープで屋敷に戻ったのであった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ワープで屋敷に戻った海は、担いでいた楓たちをベットに寝かせ、楓から、エクスカリバーを没収して、静かにアイテムボックスにしまっておいたのであった。



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