第41話 カイムの戦い
カイム視点です。一人称です。()は真実です。
残酷描写あり、苦手な方はお控えください。
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俺は、鈴木の話を聞いた後、全く信じてないが、急いでネネの所に向かう。
火山地帯までは、馬車で行っても半日以上はかかってしまう。俺は、焦ってないが、焦る気持ちを抑え、馬車を走らせる。(焦りすぎて、呼吸混乱になるレベル)
俺は今、火山地帯に行く途中の、岩が並ぶようにしてできた道を馬車で、走っていた。その道は、真っすぐ火山地帯まで、続いている道だ。今回は、自分で馬車の手綱を握り、運転していた。
そこに、40メートル先に、凶悪なゴリラのようなモンスターが、俺の乗っている、馬車の行く手を妨げる。(か細いゴリラ)
俺は、馬車を進めながら、先を急ぐので、右手の手のひらをゴリラの方に向けて、魔法を放つ
「フレイム!」
火の玉は、真っすぐゴリラに向かっていき、直撃する。俺の見立てでは、ゴリラにはかなりダメージが入っているようだ。(入ってない)
そして、ゴリラは俺の乗る馬車目掛けて、岩を持ち上げて投げくる。(小石)
「くっ」
俺は、馬車への直撃しては、馬車が壊されてしまうと判断したため、馬車を急停止させて、飛び降り岩を名剣、村八分で切り裂く。王都ピカナで買った、名剣村八分だ。しかし、名剣は、俺の予想とは反して、簡単にポキッと音たてて折れてしまう。
「剣があああああ、10万もしたんだぞ!許さん!」
「ウホォ!」
「ウホォ、じゃねぇ!くたばれ「フレイム!」」
火の玉がゴリラに直撃する。
「やったか!」(やってない)
俺は、煙から出てくる、ゴリラのダメージを確かめる。
「中々効いているようだな!」(効いてない)
俺は、折れた剣を持って、ゴリラに立ち向かう。俺は、折れた先を、ゴリラに向けて、突き攻撃をする。しかし、ゴリラの巨体からは、ありえないほどのスピードで、突き攻撃を躱す。(時速10キロ)
そして、ゴリラは、その隙を見逃さず、俺の腹部目掛けて、右手で、抉り取るような拳を放ってくる。(よれよれ拳)
「がはっ!」
その攻撃を、まともに食らってしまい、息苦しさを感じながら、足に力を入れて踏ん張り、折れた剣でゴリラの首目掛けて、力強く剣を横に振る。(よれよれ剣)
「うほっ!」
しかし、ゴリラは、俺の素早い剣を片手でつかんだ掴む。(餌かと思うゴリラ)
ゴリラはそのまま、剣を口の中に入れて、飲み込んだ。剣を咀嚼する音が聞こえる、そして、ゴリラは口から血を流して、倒れるたのであった…
「ふっ、俺の波動に恐れをなしたか…」
(弱すぎて、近所の餌くれるおじいちゃんかと間違えられる、カイム)
俺は、死闘の末(チャンバラごっこ)ゴリラに勝つことができた。
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そして、丸一日かけて、火山地帯につく(途中、気絶したので実は2日)
火山地帯は、相変わらずの暑さだ、地面からはところどころ、マグマが噴出しており、とっても危険だ、そして、山である為、道は急ではないが、軽く斜めである。俺は、隣の山が一つ消えているのに気が付いたが気にしない。
俺は早速ネネのいる家に向かう。俺が向かえば、どんな相手だろうと、一撃だ。(・・・・・・・・・)
そして、ネネの家に無事ついた俺は、家の扉を勢いよく開ける。
「ネネ、無事か!?」
しかし、ネネはそこには居なかった。家は、もともと汚かったが、さらに荒らされており、家具が壊れて、壁に穴が開いている。
そして、裏の方から剣戟が聞こえたので、俺は、急いで、家の裏に回らなければならないと思い疲れた足を引きずって、裏に回る。裏庭は、普段ネネが家庭菜園をしている場所だ。
裏庭につくと、そこには、ボロボロで血を流したネネが、全身赤黒いフードで身を包んだ怪しげな男と戦っていた。ネネは、どうやら苦戦しているらしい、額から血を流し、折れた腕を抑えながら、細身のフード男と、剣で戦っている。しかし、俺の記憶する限りでは、ネネは、剣術があまり得意ではないのに、なぜ魔法を使わないのだろうと、疑問に思う。そして、俺は、助けるため。かっこよくネネとフードの男の間に滑り込むようにして、入る。そして、両手を広げて叫ぶ。
「ネネ!俺が来たからには、もう安心だ!」
「カイム、なんで来たんだ...」(困惑)
俺の帰還に喜ぶネネ、そしてかっこよく叫ぶ!
「お前を助けに来た!」
「どけ、邪魔だ!」
俺は、ネネに肩を押され地面に吹き飛ぶ。俺は、肘を擦りむいて痛かったが、ネネのふざけた行動に、抗議するため、ネネを見た。しかし...
「がはっ!」
ネネの、体には深々と、相手の禍々しい形をした剣が突き刺さっていた。フード男の剣の色は、漆黒で、刃はグネグネと曲がっており、いびつな形をしている。その剣が、ネネに突き刺さっているのだ。倒れている俺の顔にネネの鮮血が飛び散る…
「えっ?」
俺には、状況が理解できなかった、なぜネネが刺されてるんだ…
なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ…
俺は、賢い頭で考えたが、回答にはたどり着かなかった。俺は、目から出る謎の液体を袖でぬぐい、振るえる足を無理やりたたき、立ち上がり叫ぶ。
「おい、フードのお前!!!!!!!」
フードは、声をかけられて、やっとこちらに気付く。俺は、「フレイム」に怒りと魔力をすべて乗せて放つ。
「フレイム!」
俺の魔法は、真っすぐフードに向かって飛んでいく、そして、大きな音を立て火の玉は、奴に直撃する。いつものフレイムとは、一味違ったその攻撃は、相手全体を、包み込むようにして、襲い掛かる。
「やったか…」
しかし煙の中から、姿を見せたフードは、全くの無傷で立っている、塵一つ付いていない。そして、フードは俺に向かって狂気じみた声で体をグネグネと曲げながら、手を体の前で、クロスさせながら言った。
「なああああああんですか?あなたは、精霊狩りの邪魔をするんですかああああああああああああああああああああ?」
奴は叫んでいるが、俺はそれどころではない、全力のフレイムを放った事で、魔力切れで俺の視界は、ぼやけ始める、俺は、魔力が足りないなら肉弾戦に、持ち込むしかないと思い、全力のスピードで、相手に詰め寄る。(50メートル走、8秒)
しかし、向かってくる俺に対して、相手は、片足を上げて、気づけば、俺の顎を砕かんばかりの蹴りを、放ってくる。
「がはっ」
蹴りは、俺の顎を砕く。その蹴りだけで意識を失いそうになった俺は、力の差を時間したので、諦めて言う。
「お前、俺が覚醒する前に、今日のことなら水に流してやってもいいぞ?」
「はぁああああああああああああああああ?????????????嫌です」
奴は、そう言うと、ネネに刺さっていた剣を引き抜き、俺に向かってくる。そして、俺が気づいた時には
「うぁがっ…」
「他愛もなああああああああああああい虫けらですね…」
剣が俺の心臓に刺さっていた…
剣を引き抜かれる。どす黒い血が、視界の端に飛び散るのを見る。俺は、地面に膝をついて、情けなく倒れる。そして、途絶えそうな、意識の中そいつは、ネネを連れ去ろうとネネに歩み寄ろうとしていた。
それを見た俺は、必死に立ち上がろうとするが、手足に力が入らない。俺は、這いつくばりながら、なんとか叫ぶ。
「どうして…どうして俺からそいつを奪おうとする…初めて自分で手に入れものなんだ...すべて用意されたものだと分かっていた...でも、そいつは違う、俺が、唯一手に入れた、大切なものなんだよ、だから連れて行かないでくれよ、頼む…」
俺は、死にそうな体で必死に叫んだが、しかし帰ってきた答えは
「嫌あああああああああああああああああああああああああああああです」
そして、そいつは俺に近づいてくる。俺は、地面に横になって、気絶しているネネを見た。なぜこんな理不尽なことが起きているのか、段々怒りが湧いてくる。そして、俺は覚醒した。(してない)
俺は、痛む傷口を抑え立ち上がる。
「お前に、ネネは連れていかせない…」
俺は、近づいてくる奴に近づき、ねじりを込むような、左拳を突きつける。しかし...
俺の左腕に奴の剣が突き刺さる…
「ぎゃあああああああああああああああああああああああ」
俺は叫ぶ、奴のスピードは、早すぎる俺の目では負いきれない、そう思った俺は、腕が焼け千切れるような痛みに耐えて、腕から剣を抜かせないように敢えて自分から、腕を刃元の方に持っていく。
「ぐああああああああああああああああああ」
そして、奴が俺の行動に驚いたその隙に、俺は奴の顔面めがけて、体を捻り、そのまま開いている右腕を鞭のようにしならせ、奴の顔面めがけて叫びながら殴りつける。
「くたばれええええええええ!」
俺の拳は、予想通り奴の顔面をとらえている。
「かゆいですね...」
奴は、そう言うと、フードの下から気持ち悪い笑顔をのぞかせた。俺の拳は、奴に効いていない…
「くそおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!…」
そして、奴は心底楽しそうな笑みをフードの下で浮かべて、俺の腕に刺さっていた剣を縦に引き下ろした。俺は、恐る恐る自分の左手を見る
「僕の王の腕があああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
(ただの腕)
そこには、何もなかった…
俺の腕が、あった場所からは何もなく、ただ根元から血が流れているだけ…
「が、はぁはぁはぁ…」
恐怖のあまり、一歩後ずさる、しかし奴は許してくれそうにない。そして、俺ににじり寄ってくる。
「あらま、腕がとれえええええええええええてしまったじゃありませんか、可愛そうに、どおおおしましょそうだ、いいいいいいいいいこと考えた!」
そいつは、そう言い終わると…
「これでバランスよくなりましたね」
俺には、何のことだ分からなかった、俺は、立ち向かうため、残っている右腕を、使って、奴を殴ろうとする、しかし…
ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない、ない
何処にも右腕はなかった…
両腕の決断面から、赤黒い血が流れ落ちており、地面には俺の腕が転がっており、肉片が世界地図の様に広がっていた。どうやら、血が流れ過ぎたようだ…無残に倒れる。それでも俺は、ネネを守りたかった、守ってネネの笑顔をもう一度見たい、しかし、体は限界だ、もう意識もどこかに行ってしまいそうだ。俺は、奇跡なんて起きなかった、世の中を恨みながら、歯を折らせながら、歯を食いしばり、なんとか意識を保ち、もう見えくなってしまった目で、奴を睨んで、必死に声を出す...
「あ゛ぁ゛…返せ、ネネを返せ…」
「まだ、生きてらしゃるのね、ゴキブリ並みの生命力、このまま放っておいても死にますが、気持ち悪いので、とどめを刺しましょうおおおおおおおおおおおおおお!」
そいつの、歩み寄ってくる音が聞こえる。そいつの足音は、まるで、自分の死を宣告する、カウントダウンのようだ。そして、そいつの歩みが急に止まった。
「ちょっと待ったああああああああああああああああ!」
そこに、俺にとってはかなりウザい声が木霊す。しかし俺は、今はそんな奴にでも縋りたい気持ちでいっぱいだった…
「鈴木…助けてくれ…」
「黙れ!」
そいつは、そう言い俺とフードの間に立つのであった。
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