第30話 ロリロリパニック!

海は、朝目が覚めると、腕に柔らかい感触を感じる


「ううぅ・・・」


海の腕には、生まれたままのシャルロッタが寝ていたのだ、海は、シャルロッタが起きないように頭から腕をそっと抜き、外に出る準備を始める。


「海、どこに行くの?」


どうやら、シャルロッタが起きてしまったようだ。


海は、こっそり抜け出すつもりだったが、適当な言い訳を考えて、それを伝えた。


「ちょっとな、仕事だ」

「ホント?何の仕事?手伝えることがあるなら言ってね!」

「あぁ、ありがとう、じゃあ行ってくる」

「いってらっしゃい!」


海は、シャルロッタに見送られ、後ろめたいものを感じながら、その場所に向かった。


海が、向かった先は奴隷市場だ、もやし騎士となり、爵位を得た海は、奴隷を雇うことができるよになったのだ、そして海は、王からもらったお金で、可愛い女の子奴隷を買うことにした。


奴隷市場についた、海はまず、この場所が怪しくないか、周りを確かめた。なんといっても奴隷という、物騒なものを取り扱っている所である、警戒が必要だ。しかし、怪しそうなものは、どこにも見当たらなかったので、奴隷が売っているであろう、一番大きなテントの中に入った。


中に入ると、最初に海が気になったのは、異臭だ。どうやら、奴隷は、何日も風呂に入ってない可能性が高い、海はこれだけで、管理杜撰なことが分かった。そこに、デブの奴隷商人が海に、話しかけてくる。


「どうもこんにちは、あなたが鈴木海さんですね、お噂は兼ねがね、聞かせていただいてます。なんでも今回、もやし騎士になられたそうで」

「息が臭い、あまりしゃべるな」


海は、あまりにも臭い息に対して、本音が出てしまった。しかし、奴隷商人は、平謝りして、話を続ける。


「ええと、申し訳ありません、今回は、どのような奴隷をお求めで?」

「喋るな、質問だけに答えろ」

「はい」


海の、言葉に黙る奴隷商人。海は、話を続ける。


「まず、ここに可愛い奴隷はいるのか?」

「居ますとも、ご案内します」


そう言うと、奴隷商人が奥の方に進んでいくので、海もワクワクしながら、それについて行く。


「こちらになります」


案内された先に、可愛い女の子がいることを期待して見た海であったが、そこにいたのは、子どもの奴隷だった。海が見た限りでは、子どもたちは、かなり衰弱した様子だ。衰弱した子どもは、他にも何人もいる。海は、若干キレそうになりながらも、奴隷商人を怒鳴りつける。


「俺は、可愛い女を要求したんだぞ!YESロリータ!NOタッチ!」

「すいません、では女性の所に案内させていただきます...」


しかし、海は子どもたちの様子が、気になったので、予定を変更した。


「ほかにも、子どもはいるのか?」

「はい、いますとも、しかし、そちらは、商品になりませんが...」

「関係ない、案内しろ」

「はい…」


奴隷商人がさらに奥に進んでいくので、海も付いて行く


「こちらになります...」


海が案内された先で、見たものは明らかに病気の子どもたちだった。そして、見ただけでざっと50人近くいる。それらすべての子どもが、一つの大きな檻に収容されていた。


「どうでしょう、これでは、売り物にならないでしょう?」

「檻を開けろ」

「はっ、何を言っているんですか、鈴木さ「黙れ、開けろ!」

「はい…」


海の言葉に驚いた奴隷商人は、慌てて檻を開け始めた。海は、開けられた折に入り、一人一人に超回復水を飲ませ続けた。なかなか飲んでくれない、子どもには、直接胃に出現させる。


「なにをしてるんですか、鈴木様、そんなに近づいては、感染症がうつってしまいますよ!」


奴隷商が何か言っているが、海は気にしない。


そしてすべての、子どもに超回復水を飲ませた海は檻を出た。檻を見た、奴隷商人は、驚きの声を上げる。それも当然、衰弱しきった子どもたちが、元気に走り回っているではないか、


「どうなってるんですか!これは!」

「ここの子どもたちは、全部でいくらだ?」


海は、子供たちを回復させてしまった、責任を取るようだ、奴隷商人は、ここぞと言わんばかりに、海に子どもたちを進める。


「すべて廃棄処分寸前だったので、特別にただで差し上げます!」

「ちっ!、分かった、引き取ろう」


海は、舌打ちをして、もう一つ質問する。


「一つ手前にいた子たちは?」

「まさか、すべて購入されるおつもりじゃないでしょうね!?」

「そうだ、悪いか?」

「いいえ、とんでもありません!」


そう言うと、奴隷商は電卓のようなもので、計算し始める。


「全部で、2億ピカンになりますが、どうされます?」

「・・・」


カッコつけた海であったが、所持金が足りなかったようだ。


「ちょ、ちょっと、待ってろよ!」


海は、恥ずかしさを隠しながら、奴隷市場を後にし、荒稼ぎをするため、急いで冒険者ギルドに向かった…


「はぁ、はぁ、はぁ」


大慌てで、冒険者ギルドについた海は、すぐに中に入った、冒険者ギルドは、なぜか男臭い匂いがした。それも当然、中に入るとむさ苦しい男しかいない。海は、女騎士は、サカナしか見たことなかったので、戦闘職は、女性に人気がないのかなぁと思う


海は、カレビ帝国の冒険者ギルドは、初めてだったので、とりあえず受付の人に、効率のいいクエストがないか、聞いてみる。


「すみません、僕Aランク冒険者の鈴木海です、いいクエストあります?」

「あなたが、噂に聞く鈴木海さんですね、お待ちしておりました」


紫髪の、おっとり巨乳美人の受付さんが、対応する。


「僕って、そんなに有名なんですか?」

「はい、勿論いろんな意味で…」

「まぁ、どうでもいいか、効率のいいクエストあります?」

「用意させていただきます」


そう言うと、受付さんは奥の方に引っ込んでいき、一枚のカードを持ってきた。


「こちらは、スレイヤードラゴンの討伐クエストです」

「報酬はいくらですか?」

「これは、本来カレビ帝国の冒険者、全員で行っても、勝てるかどうか分からないイカレたクエストなんですけど、大丈夫ですか?」

「報酬は、いくらですか?」

「受ける気なんですね…分かりました、報酬は、3億ピカンです」

「おけ、行ってくる!」


海は、そう言い残し、その場を後にした。


クエストカードによると、スレイヤードラゴンは、カレビ帝国よりずっと東側の、火山地帯にいるモンスターだ。海は、早速飛行して、その場所に向かった。


飛行すること3時間...途中で200体ほどのジャイアントリンダからの妨害を受けたが、岩を落として、蹴散らしたので、なんの問題なく、火山地帯につく海。


海は、火山の暑さを感じながら、スレイヤードラゴンを探すため、一度地面に降りる。


しかし、地面に降りたはいいものの、暑くてしょうがない、海は、急いで探すことにした。


20分後...


(暑い...)


探しても探しても、見つからないスレイヤードラゴンにとうとう嫌気がさしてきた海、我慢できなくなった海は、魔弾を乱発して、スレイヤードラゴンをおびき寄せることにする。

海は、飛行して、魔弾を自分の体全体から放つ


「ふん!」


魔弾は、地面、その辺の岩、その辺のマグマに直撃して、大きな音を立てる。


「ギヤァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」

「?????????」


海の耳は、大きな音が聞こえたが、何処を探しても、スレイヤードラゴンは見つからない。そして海は、飛行して気づいてしまった。先ほどまで海が立っていた、地面が動いていることに…


「マジか...」


どうやら、海が只の火山地帯の一角だと思っていた山が、スレイヤードラゴンだったようだ。


海は、急いで山から離れようとした、しかし海がそう判断した頃にはもう遅い、海に向かって、先ほど立っていた場所から、マグマの光線が飛んでくる。

海は、何とかそれを収納しようとするが、威力が高すぎて、風圧で吹き飛ばされる。


「っく!」


海は、体制を整えると、ドラゴンの脳を潰すため、顔を探すことにした。しかし、そう簡単には、行かせてくれそうにない、さらに光線がとんでくる。海は、光線を躱しながら、どんどん上へと向かっていく、全体を見渡し、すぐに顔を見つけるためだ。


海は、スレイヤードラゴンの全体を見渡せるようになったので、顔を探した。


「見つけた!」


海は、スレイヤードラゴンの顔を見つけた。スレイやドラゴンの顔は、バッタのような顔だったが海には関係ないので、そこ目掛けて、ありったけの魔弾を放つ。


「おらぁ!!」


大きな爆発音と共に、スレイヤードラゴンの顔を粉砕する。


海は、クエストカードにスレイヤードラゴン討伐×1と書いてあったのを確認して、


「俺TUEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!」


と言い、一応死体を回収して、その場を後にした。



海は、飛行を使い、行きと同じ三時間かけて、冒険者ギルドに、戻った。海が、戻った時には、辺りは、もう真っ暗になっていた。


ギルド内に入ると、待っていたのは先ほどと同じ受付のお姉さん。


「海さん、お待ちしておりました、結果はどうでした?」

「ちょろいす」


海は、なめ腐っていた。受付のお姉さんは、それでも丁寧に対応してくれる。


「そ、そうですか...では、クエストカードをお見せください」

「よろで~す」


海は、なめ腐っていたが、クエストカードを渡した。


「さすが、噂に名高い鈴木海さん、まさかお一人でスレイヤードラゴンを、倒されるなんて…」

「ふんとこ、どっこいしょ!」


海は、なめ腐っている、戸惑うお姉さんであったが、奥に行き報酬を持ってきてくれる...


「此方が、報酬の3億ピカンになります」

「ヒャッハーありがとう!」


情緒不安定な海は、報酬を手に入れ、その場を後にしようとする、しかし…


「ちょっと待ってください!」


受付のお姉さんがそれを止める。海は、疑問に思い、アへ顔で振り向く


「なんだ~い????」

「なめ腐り病ですね、すぐに治療が必要です...」

「????????」


海は、受付のお姉さんが、なにを言っているのか、分からなかったので、アへ顔で首をかしげる。


「火山地帯に行ったら、たまにかかる病気です!」

「知らないお!」

「やはり、治療が必要ですね...冒険者の皆さん!この人を取り押さえてください!」


受付のお姉さんが呼びかけると、周りにいる冒険者の人たちは、海をとらえようとする。しかし...


「捕まえられない...」


海の、あまりの素早さに中々取り押さえることができない。そこに、冒険者ギルドの扉が開く音が聞こえる。


「何事だ?」


疑問の声を上げ、入ってきたのは、青髪の金色の目が特徴的な美青年、海は、その人物を見た途端...


「イケメン!死ねええええええええええええええええええええ!」


と大声で叫び、突撃した。しかし、残念なことに、そのイケメンは、突っ込んでくる海を、軽くかわす。そして、謎のイケメンは主張する


「なにをする!我が名は、カイム!精霊使いだ(自称)私に攻撃の意思はない!」


それを聞いた海は、


「名前までかっこいいじゃねぇーか!死ねぇえええええええええええええええ!」

「実は、意識あるんじゃないですか鈴木さん!」


突っ込みを入れるお姉さんを無視して、カイムに突撃する海...


「仕方ない...」


カイムは、突撃してくる海に対して、魔法を放つ


「フレイム!」


海は、突然飛んできた魔法に急停止できるはずもなく、飛んでくる火の塊に直撃する。


「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ」

「フッ、また、あとで来る」


カイムは、海をあざ笑う、ように冒険者ギルドを出ようとした、しかし、


「待ちやがれ!このクソメンが!」


海は、超回復水を飲み、立ち上がる。超回復水を飲んだ海は、自分の意識を取り戻したが、カイムに復讐するため、魔法を放つ。


「ウインド!」

「がはっ!」


魔法は、ギルドを出ていこうとする、カイムの背中に直撃する、カイムは、ギルドの外に、ど派手に吹っ飛んだ。


「やったぜ!」

「やったぜ、じゃありません鈴木さん!今度こそ意識戻ってるでしょ!」


受付のお姉さんに怒られる海であったが、カイムが、目覚める前に、退散しようとする。しかし、カイムはすぐに目を覚まそうとしていた。


「待てキサマ、今のまうげぶしぃ!」


カイムが何か言い終わる前に、顔を蹴ってとどめを刺す海


「やったぜ!」


受付のお姉さんが後ろで、また怒っているようであったが、海は、知ったことではないので、さっさと飛行で、奴隷売り場に向かった。


奴隷売り場に、到着した海は早速、子どもたちを解放するため、奴隷商人に2億ピカルを渡す。


「毎度ありがとうございました~」


奴隷商が見送る中、海は、合計102人の子供たちを買い取ることに成功した。奴隷の規定として、奴隷を強制的に従わせるため、奴隷の首輪というものがある、しかし海は、それを子供たちに、付けずに買い取ったのであった。


そして海は、自分の土地に子どもたちを、誘導する。なぜか、しっかりと一列に並んで、付いてくる子どもたち、子どもたちは、奴隷から解放してくれたのと、超回復水を飲ませてくれた海に、恩義を感じているらしい。


そしてとうとう、海たちは、屋敷についた。


海が、屋敷の扉を開けると、シャルロッタがご飯を作って待ていてくれた。ドロップと楓は、ソファーでくつろいる。グスリは、もう寝たのであろう姿がない。


そして、なぜかいるサカナ


シャルロッタは、すぐに家事を止め出迎えてくれた。


「おかえり海、お仕事お疲れ様、ご飯にする、お風呂にする、それともぎゃあああああああああ!」


決め台詞を言おうとしたシャルロッタだったが、海の後ろからついてくる102人もの、子どもたちを見て、驚きの声を上げた。海は、反応を予想していたので、冷静に対処する。


「ただいま!紹介するよ、この子たちは、今日からうちで引き取ることになったから」

「ちょっと待って!隠し子?」

「違う、いろいろあったんだ」

「どうしたんですか、シャルロッタ様!」


そこに、シャルロッタを心配したサカナが、こちらに駆け寄ってきた。海は、それに対して...


「おう、サカナ出て行け!」


と言うが、状況を見たサカナは理解したという顔で、言い放った。


「貴様!、これだけの隠し子、どうやったらできるんだ!猿だ、猿だ、と思ていたひべぇふし!」


海は、サカナを殴って黙らせ、楓とドロップに説明するため、家の中に入る。


「あっ!お帰りお兄ちゃんんんんんんんんんんんんん!?」

「バンテーーーーーーーーーリン!」


楓は、海の腕、肩、腰にぶら下がる子どもたちを見て驚いた。ドロップに至っては、何を言っているのか、分からない。楓は、海に対して、どうしたのか聞く


「お兄ちゃん...お猿さん?」

「違う!なんでみんな同じ反応なんだよ!」

「海さんが、本当にお猿さんだからですよ...」

「黙れ、ドロップ!乳揉むぞ!」

「どうぞ...」


海は、とりあえずドロップの乳を揉んでおいたが、全員集まったので、しっかりとした説明をすることにした。


「みんな聞いてくれ、俺は、今日ドラゴンとの死闘の末、3億ピカンを手に入れた」


ドラゴンを倒したあと、冒険者ギルドで大暴れしたとは、言わない海。


「そして、子ども達を救うため、奴隷売り場に向かったのだ!」


初めは、可愛い女の子が目当てだったことは言わない海。


「僕は、悪名高き奴隷商人に、2億ピカンを提示されたので、易々とそれを出し、子供たちを救ったのだ!」


2億ピカンを提示され、血相を書いて、冒険者ギルドに行ったとは、言えない海。


それに騙された、シャルロッタたちは、海を褒め称えた


「すごいわ海!流石私の夫ね!」

「お兄ちゃん、大好き...」

「海さん、もっと胸揉んでいいですよ...」

「鈴木見直したぞ、猿だ、猿だと思っていひでぇぶしぇ!」


サカナは殴ったが、海は有頂天で答える。


「そうだろ、そうだろ、もっと褒めるがいい!」


そこに、寝ていたかと思っていたグスリが、突如屋根裏から現れる。


「で?その子たち、これからどうするんだ?」

「えっ?」


グスリの言葉に、一時の感情に流されて、子どもたちを無計画で引き取ったとは、言えない海であった...















































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