第17話 シャルロッタの決意

海一行は、城下町を満喫した。そして、一旦王城に行こうとシャルロッタが提案してきたのだ。海はなぜ、シャルロッタが王城に行きたいのか聞いてみる。


「どうして、王城に?」

「少し旅のことで、お父様に話さなければならないの」

「そうか、じゃあ王城に今すぐ行くか」

「うん!」


海は、敢えて今シャルロッタに答えを聞かず、そのまま王城へと向かった。海がシャルロッタの横顔を見てみると、何かを決意した、顔をしていた。


王城着いた海たちは、早速王がいるという王の間に向かった。


そして、王の間についた海は、無駄に豪華な扉を開ける。中を見ても相変わらず、無駄に豪華でウザい部屋だ。そして、海を見た王が、奥の椅子にふんぞり返り、苦虫をかみつぶしたような顔で言う。


「よくぞまた来てくれた。憎っき鈴木海、何しに顔を出した?もう正直キサマとは関わりたくない!」


と王は言う、それもそのはず、王は海に散々プライドを傷つけられた挙句、大事な政治の道具であるシャルロッタまで奪われそうなのだから…そして、シャルロッタが何かを決意したように言った。


「お、落ち着いてお父様、皴が増えるわよ...」

「黙れ、小娘!!」

「それはそうと、今日は私から話があってきたの...」


シャルロッタは、王を煽るように言ったが、王は、額に青筋を立てながら、シャルロッタの話に耳を傾けた。


「言ってみろ」

「あのねお父様、いえ国王様、私は王位継承の義務をしっかりと果たすわ、なんでかって、それが王族に生まれた義務だもの、今までお部屋でゴロゴロしてばっかりだったけど、旅に出て気づいたの、街にはいろんな人がいて、そしてそれぞれの人が、必死に生きるために頑張っていたの、だから、お部屋でゴロゴロは少しだけにして、王位継承された時には、お部屋でダラダラしながらお仕事するわ!」

「そうか…ってしばくぞ小娘!王の責務なめてるのか!」

「なめてるわ!だってお父様でもできる簡単なお仕事なんでしょ、私は、ポテチ食いながら、がんばるわ!」

「・・・・」


王は、だんまりになってしまった。海は、シャルロッタの決定に文句を言うつもりはなかった、そしてシャルロッタが続ける。


「待って、国王様まだ続きはあるわ!」

「ん?これ以上なめたこと言ったら、本当に殺すぞ?」

「私が、王位継承してあげる代わりに、この鈴木海を私の騎士に任命してもいいかしら?」

「なに!?そ、そんなことは許されるわけなかろう!」

「なぜです国王様?この鈴木海が、私の騎士になるということは、この国のものになるということ、つまり国の利益に、繋がりますよ?」

「ぐぬぬ...」


海は、そのことを聞いて思った。正直こんな国で働きたくないと、そして、シャルロッタににらまれる。


「海、今は余計なことは言わないで頂戴ね...」

「はい」


いつになく、しっかりとした自分の意思を持ったシャルロッタに、海は何も言えずにいた。そして、王が自分の利益になるので告げる。


「よかろう、ただし条件がある。鈴木海よ、如何なる敵がカルビ帝国を、せめて来ようとも、この国を守る、ということが条件だ!」

「嫌だね!」


海が元気に言った。海にとっては、働くとは非常にめんどくさいのだ、海はできることなら、ブラブラして、働きたくないのだ、旅に出ようと思っている理由も働きたくないのが、9割を占めている。そして、王は断られると思っていなかったので、焦って答える。


「そ、そうか、ではこちらも条件は飲めんな!」

「待って、国王様!海、お願い...後でサービスするから...」

「やります!!!ぜひともやらせてください、二重の意味で…」


海は、シャルロッタの呟きに、元気よく答えた。性欲には抗えないのだ!しかし、海は、ブラック企業で働きたくなかったので、こちらからも条件を出してみることにした。


「おい、うんこ!」

「誰がうんこだ!キサマはガキか!」

「あぁ、それでこちらからも条件がある!」

「何だ?どうせロクなものじゃないだろうが聞いてやろう...」

「おぉ、意外に心が広いな」

「当たり前じゃ、キサマは性格こそあれじゃが、この国に就任すれば、大きな利益になるからのう」

「やったぜ!では言わせてもらう...」


海は、一拍おいて言う。


「シャルちゃんは僕のだから、俺はこいつを嫁にする、認めろ!シャルちゃんは、俺の嫁!それと、シャルちゃんに手出ししたら殺すお」

「ほう、その条件を飲めば、キサマはこの国に着くということで間違いないな?」

「あぁ」


王は、少し考えて答えを告げた。


「そうか、よかろう認めてやろうじゃないか...キサマが敵にならないというメリットはかなり大きいからな」

「ありがとう、お父様!」


シャルロッタは、満面の笑みを浮かべて言った。海は、シャルロッタの頭をなでなでして、とりあえず条件を飲むことにした。


「お待ちください国王様!」


そこに、得体のしれない中二的格好をしたオラオラ系の男が、王の間の扉を開けて、急に割って入ってきた。そいつは、顔はしもぶくれで、何か日焼けで無駄に黒い、そして、典型的な日本人のような、顔立ちだ。日本の歴史の人物並みに目細い...爪楊枝みたい…


「なんだ、ディック?何の用だ?」


王は、謁見の間に入ってきた、ディックという男にめんどくさそうに質問を投げかけた。


「俺は、認めません!こんな男がシャルロッタ様の騎士だなんて!王は、私に約束してくれたじゃないですか、シャルロッタ様を俺にくれるって!」

「海なにあれ...気持ち悪いわ…」

「心配するな、ただのゴキブリ以下の放散団子だ...」

「それちょっと強そうだわ…」


海は、シャルロッタをprprして落ち着かせ、こんな男扱いされたので言い返す。


「おい、潰すぞ鼻クソ!そして、だれだてめぇ、茄みたいな顔しやがって!」


海は、感情を抑えることなく普通に暴言を吐く。


「な、俺を知らないだと!?」

「知るか、なんせ野郎には興味ないからな、逆に聞くがお前は興味ある人のか、ホモカス野郎」

「あ、あるわけないだろ!」

「そうか、隠すことはないぞ?」

「だまれ、キサマ!忘れないようにキサマのそのふざけた頭に叩き込んでおけ!俺の名前は、ディック・ヘッドこの国の勇者だ!」

「そうか、覚えておくぞ、キュウリマン…」


全く覚える気のない海…そして、ディックが言う。


「誰がキュウリマンだ!ディック・ヘッドだ!どこまでも人をなめやがって、決闘だ鈴木海!」


海は、キュウリマンを無視して部屋を出ようとした。しかし、国王が海を呼び止めた。


「待て、鈴木海よ」

「なんだ?」

「そう言えば、鈴木海キサマ、キュウリマンとは試合したことがなかったな」

「ないが...」

「国王様までキュウリマン...」

「一度してみよ、このキュウリマンは騎士ではないが、この国で一番強い、戦ってみて、キサマの強さを示せ」

「ええ~めんどいお、キュウリマン弱そう…」

「そう言わず、戦うがいい案外いい戦いをするかもしれんぞ?」


海は、少し興味が湧いた。


「どうした鈴木海、怖気づいたか?」

「だまれ、ち○こ頭!ボコボコにしてやんよ!」

「キサマ、次々とあだ名をつけやがて、付いて来い闘技場で決闘だ!」


(ち○こ頭はあだ名じゃないがな...)


海は、呆れながら、ディック・ヘッドの後を追ったのであった...



































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