第18話 VSディックヘッド

海は、勇者ディックヘッドと決闘するため闘技場に訪れていた。海は、そろそろ決闘も慣れてきたころであった。そして海は、闘技場の真ん中で、ストレッチしながら敵を待つ


「よし、鈴木海さっそく始めようじゃないか」


ディックは、大きな大剣を背中から抜き出し、やる気満々に宣言した。


「海、頑張って~」

「負けるなよ鈴木海、キサマを倒すのは私だ!」


シャルロッタとなぜかいるサカナから、応援を貰った海は、少し気合が入った。


「それでは、審判は国王である私が勤めさせてもらう、準備はいいか?」


海とディックは、頷いた。


「お互い全力を尽くすがいい、それでは始め!」


先に動いたのは、ディックだった。ディックは地面を蹴り、高速で海に近づき、重たそうな大剣を海に向かって切りつけてくる。


「でやあああああああああああああああああああああああああああああ!」


しかし海は、後方に飛び余裕を持ってそれを避けた。


「ちっ、奇襲は成功しないか...」


ディックは、舌打ちをして、苦虫を噛み潰したような顔になり、次なる攻撃を仕掛けてきた。そして海は、切りつけてくる剣を収納した。


「その程度か?」

「なに!?」


ディックは、自分の大剣が何処に行ったか探す、それを見て、海はバカにしたように挑発する。


「これが、お前の本気かよwww」

「これが俺の本気だと思うな!ビルドアップ!!」


ディックはどうやら、スキルを使って、体中の筋力は肥大化したようだ。ディックの着ていた服は、バラバラに吹き飛んで、筋肉の鎧が顔を出す。それに対して海が…


「キモイな...」


素直な感想を言った。


「キモイとは何だ!これは、生まれながらに持っていたスキル「ビルドアップ」これは、人間の身体能力を100倍に引き上げる最強の力だ!」

「説明乙」


そして、次の瞬間、海の目の前からディックの姿が消えた。海が気づいた時には、顔を殴られていた。


「がっは!」


海は、ディックの攻撃に反応できず、地面に転がる。


「海!!」


心配そうに、シャルロッタが叫ぶ。海は、焦りを感じた。物理攻撃では、収納を使うことができないので、目で追えない攻撃を防ぐ手段がないからだ…

海は、急いで超回復水を胃袋に出現させて回復しようとしたが、海が回復し切る前に、ディックの次の攻撃が襲ってきた。そして、また海は、まともに貰う…


「がぁはっ!」

「おいおいどうした鈴木海、さっきまでの勢いはどうした?」


海は、立ち上がり言う。


「黙れ、ナスビ野郎」


海は、そう言うと回復しきってない体で、空に逃げた。


「はぁ、はぁ...」

「お前もスキル持ちか!?」


ディックが驚いている隙に、海は空中で、超回復水を飲み傷を回復させた。海は内心思った。奴がバカでよかったと、連続で攻撃されていたら死ぬところだったからだ。

そして海は、本気を出さなければ不味いと悟り魔弾を放つ、その赤い光を帯びた魔弾は、真っすぐディックに飛んでいき、ものすごい轟音と、土煙を上げて、命中する。


「よし!」


しかし、土煙の中から出てきたディックは、無傷で立っていた。


「なん、だと...」

「効かないな...鈴木海...」


とは、言ったもののディックは、額からものすごい量の血を出し、腕は変な方向にねじ曲がっていた。そしてディックが言う。


「もう終わりか、次は此方から行かせてもらう」


ディックは、海の見えないスピードで跳躍した。


海は、元いた場所からすぐに離れ、そして目の前に黒いものが通り過ぎていくのが見る。


「しまった!?」


ディックは、跳躍したため、空中で身動きが取れなかったのだ。ディックは、自分の犯してしまった失敗に気付き、慌てて方向転換しようとしたができなかった。

海は、その隙に超回復水を大量に摂取し、魔力を底上げし…


「くたばれ、サイクロン!」


今放てる最強の魔法をディック目掛けて放った。


「ぐわあああぁあああああああああああ」


ディックは、竜巻に巻き込まれ、大きな音を立てながら地面に落下した。

地面に叩きつけられたディックは、血みどろでボロボロであったが、何とか立ち上がったのだ。


「やるな、鈴木海、どうやら口先だけの男ではなかったようだな...」

「いや、今回はお前がバカだったから助かっただけで、本来なら死んでたぞ...」

「なにが、バカだ!キサマ勝った気でいるんじゃないだろうな?まだ俺は倒れんぞ!エリクシール!!」

「なに!?」


ディックが、叫ぶとディックの体が見る見るうちに回復していく。海は、呆れたように言う。


「回復もできるのか...」

「俺をナメテもらちゃ困る、これでもこの国の勇者だ、負けるわけ...「サイクロン!!」


海は、ディックが何か言い終わる前に、呪文を放つ。何度も放つ。


「ぎゃああああああああああああああああああああああ」

「おらおら、サイクロン!!、サイクロン!!」


そして、ボロボロになったディックは地面に倒れた。


「よし!」


そして、試合終了の鐘が鳴った。


「お見事だ、鈴木海、正直ディックは今の戦いを見てわかる通り、アホすぎて使い物にならん、だから貴様のようなものが、カレビ帝国について心から歓迎する」


王が、満足そうな顔そう言った。そして、シャルロッタたちも駆け寄ってきた。


「流石、海ね!私は絶対勝つと信じてたわ!」


シャルロッタが、まるで自分のことのように顔を輝かせて、嬉しそうに言った。しかし、試合内容は、残念だったので反省するように言う。


「ありがとう、シャルちゃんでも今の戦いは、だめだ...」


海が、反省していると、サカナが得意げな顔で、話しかけてきた。


「そうだな鈴木海、今のは運が良かっただけだ、精進しろよ!」

「黙れ!雑魚」

「なっ!?」


海は、今後、改善していく必要があると思ったのであった...






























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