第15話 決闘

海が、楽しく城内を探索していると一人の騎士が駆け寄ってきて言ってきた。


「キサマに伝言だ、シャルロッタ様が本当にほしければ、城裏の闘技場まで来い」

「なんで?」

「キサマが本当に、強いのか王が確かめたいそうだ」

「そうか、めんどいが、身の程をしらせてやろう」


海は、城裏の闘技場に向かうことにした。


そして海が闘技場にたどり着くと、闘技場は、野球のドームのような場所で、周りに観客席があり、土で出来たグランドがある。そして、真ん中に王が立っていたので、海は、王のところに向かう、そして王が出迎えてくれた。相変わらず傭兵の格好をしている、しかし、太りすぎて似合ってない...


「よく来たな、鈴木海、伝令は言聞いたな?これから私が用意した精鋭たちと5人と戦ってもらう、それに勝ったらシャルロッタを本当にキサマにやろう」


王がそういうと、いかにも強そうな戦士たちがずらりと並んでいる。


「おい、おい...物騒な奴ばっかだな」


海が見た戦士たちは、全員が手練れという感じであった。その中に先ほど小競り合いをした、サカナ・タベタがいた。


「よう、サカナ、今は何色のパンツだ?」


海は、元気に挨拶をした。そしてサカナは、怒りながら言う


「お前は切る!!、先ほどのようにはならんから覚えておれ!」


見ると、サカナは先ほどのようにスカートではなく完全武装した姿であった。


「サカナよ、こ奴と顔見知りかの?」


王が尋ねた。


「はいそうです、先ほど少しあった程度ですが...」

「では、サカナ、君から戦ってくれるか?」

「喜んで我が王よ」


サカナがそういうと、海の数メートル前に立った。

そして王が戦いのルールを説明し始めた。


「ルールは簡単だ、先に相手を参ったといわせるか、気絶させるまたは、殺してしまうのもかまわん、武器の使用は可能だ。要するに何でもありだ」

「殺してしまっても構わんのか?」


海は言いたかっただけだか、王にそう言った。


「勿論だ、だがキサマにそれができるかな?」

「さぁな...」


海は、不敵な笑みを浮かべた。しかし海は人を殺す気などもちろん、全くない。


(まぁ、こいつらも仕事だしな...)


そして試合開始の合図が鳴った。

先に動いたのは、サカナだ。

サカナは、持っているロットから、火炎弾を放ってくる。海に向かってよろよろと飛んでくるそいつを、海は、素早く収納した。そして、海は言いたい台詞を言う。


「やれやれだぜ...」


海が、油断していると、足に風を出現させ、それを使ってジェット噴射のように、接近してくる。そして、サカナは持っていた、ロットから剣を抜き取り、海を切りつける。海は、とっさに半歩ずれて体をそらしたが、軽く肩口を切られてしまった。


「仕込み刀か、カックイー!...」


どこまでも能天気な海は、回復方法がばれない様に、胃の中に超回復薬を出現させて、傷を回復させた。


「な、なに!?傷が回復していくだと...」

「俺は、不死身だお」


海が適当なことを言い、超回復薬を胃の中に出現させ、MPを高めて魔法を放つことにした。


「これがホントの魔法だ「ウインド!」」


海の右手から、放たれたかまいたちは、風を裂くように進み、サカナの足に直撃し、サカナの足が、膝から下がちぎれる。


「ぐあああああああああああああ」


サカナの、悲鳴を上げ、倒れる。そして、足からは、大量の赤黒い血がでている。サカナは、苦痛に耐えながら起き上がろうとしていたが、なかなか起き上がれそうにもない。


「おいおい、大丈夫か?何なら今のうちにリタイヤしても...」

「だ、誰がするものか!騎士の誇りに賭けてシャルロッタ様は私がお守りする!」

「そうか...」


海は、そう言うとウインドを威力を押さえて、再び放った。サカナは、足を怪我しているため、躱すことができずかまいたちは、サカナの体を切り裂くように、過ぎて行く。幸い鎧を着ていたため致命傷には至らなかったが、サカナはもうボロボロであった。


「まだだ...」

「やれやれ」


そして、サカナは最後の力を振り絞って火の玉を放った。しかし、海は無慈悲にもそれを収納し、サカナは、絶望の表情を浮かべてその場にひれ伏した。


「シャルロッタ様...」


最後にサカナがそう呟くと、試合終了の鐘が鳴った。


海が次の戦いに備えようと少しストレッチしていると、王がサカナのところに駆け寄った。海は、王が心配して駆け寄ったのかと思ったが、その真逆であった。それどころか、罵声を浴びせながらサカナを蹴り上げたのだ。


「この役立たずが!簡単にやられおって!気絶だと?笑わせるな死んで余に詫びろ!」

「あ゛ぁ゛...」


王は、気絶したサカナをけり続けた、飛び散るサカナの鮮血、そして、とうとう泡を吹き始めた。そんな王を見て、ほかの騎士たちは見てみぬふり、このままではサカナが本当に死んでしまいそうであったので、海は、美少女が死んでしまうのは、勿体ないと思い、王に声をかける。


「なぁ、王様よ?その辺にしな?せっかく俺が生かしたのにわざわざ殺すこともないだろ?」

「黙れ!キサマには関係のないことだ、私の部下の命は私で決める!」

「そうか...じゃあ、お前も死んでみる?」


そう言い海は、右手を突き出した。


「ひぃ...わ、分かった殺さない、だからその右手を下ろせ!?」


海は、倒れている瀕死状態のサカナに近づき、サカナの口に手を当て超回復水を飲ませた。そして海は、サカナを抱きかかえた。


「こいつは俺でもらっていく、いいよな?」

「す、好きにしろ!」


王がそう言うと、海は、サカナを闘技場の隅に寝かせて、元の位置に戻った。


「さぁ、試合を再開しようじゃないか、次は誰かね?」

「次は私だ!」


出てきたのは、全身銀の鎧で覆われた騎士であった。武器は槍を使用しており、顔は甲冑に包まれ男なのか女なのかもわからない。


「よろ!」


海が、挨拶すると試合開始の鐘が鳴った。


海は、さっさと試合を決めてしまいたかったので、初回からウインドウを放った。

しかし、ウインドウは、相手を傷つけることはなかった。


「なに!?」

「はっはっは、私の鎧は魔法を通さない仕組みになっておるのだよ、もっとも、今まで使う機会はなったがな!」

「わざわざ説明ありがとう...」


海は、魔法が効かないので別の手を考えることにした。しかし、魔弾では威力が強すぎて、相手を殺してしまう可能性があるため使用できず、穴に埋めると窒息死させてしまう恐れがあったので、肩慣らしもかねて久しぶりに肉弾戦を行うことにした。


「よし」


海は、地面をけり、敵に詰めよる、そして、射程内に入ったと確認して、詰め寄った勢いも、乗せて、甲冑目掛けて、神速の拳を突き出す。

拳は、騎士に命中し、騎士は吹き飛んでいった。


「ぐっは!」


しかし、騎士はギリギリのところで踏みとどまった。


「キサマやるな、冥土の土産に我が名を教えよう。我が名は、コド「興味ねぇーよ」」


海は、相手が名前を言い終わる前に、もう一度間合いを詰め、大地を軸足で削り取り、しなるような、回し蹴りを繰り出した。それが、騎士の首元にクリティカルヒットし騎士は、ひざを折って倒れた。


「卑怯な...」

「知らん!」


そのまま試合は終了し、海の勝ちとなった。


「また負けたのか!えぇい次の奴は誰じゃ!」


王が次の選手を指名しようとしたが、他の騎士たちは逃げるように去っていった。


「無理だ...騎士最強のコドルフが負けたんだ、俺たちが勝てるわけがねぇ...」


そして、会場には海と王だけが残った。海は、王を見る


「ひぃ、覚えておれ!」


王は、小物臭溢れるセリフを言い、足早に海のもとを去っていった。


そして海は、倒れているサカナを担ぎ上げ、探索を再開した。





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この話から、()のところに、海君の思っていることを書くことにしました。














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