第8話 戦争進化論 #平和 #戦争 #心理学 #哲学

戦争進化論


戦争によって技術の進化が生まれるので、戦争は必要だ、という論調が存在する。


人間のテクノロジーの進化の歴史において、戦争の為に作られた技術とその転用が極めて重要であった、という論である。


しかし、この様な論調は、問題を抱えている。


なぜなら、殺人技術の進歩を承認する事は、結果として人類全体の殺人技術の進化を促し、その行き着く先は、全ての技術の発展がそうであるように、いつでもどこでも誰であっても、安易に、かつより早く、大量の人々を、殺す事が出来るようになるという事を意味している。


戦争技術の進化の進展とは、人類全体の滅亡の可能性の拡大に他ならない。


そしてその行き着く先は、ちょっとした社会的間違い、エラーで、人類全体が滅亡する、という可能性の拡大に他ならないのだ。


人々が全人類全体の永遠の平和と繁栄を望むならば、全ての殺人技術の進化を止めなくてはならない。


しかし、人類に技術の進化は必要である。




では、どのような考え方が、人類の進化を保障しつつ、殺人技術の進化を止めるのだろうか。



進化とは、能力の拡大を意味する。


それは五感や脳の能力の拡大の延長線上のものだ。


人は空を飛べない、つまり肉体的には不可能である、そこで飛行機を作り、飛行機に乗って空を飛ぶ。


これは次の様に表現する事が出来る。


欲望の目標設定範囲に対し、人間の本来の能力では、その能力の達成の為に能力が足りない時に、外部的能力の拡大としてのテクノロジーを求め、欲望における目標の達成を求める。


この繰り返しが、技術の進化を生む。


人を殺したいが、人間の能力それ自体では難しいので、テクノロジーを高めたい、という事は、動機が殺人への欲求という点で、悪である。


その技術拡大の行き着く先は、人類の滅亡に他ならない。


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