君のために……

野口マッハ剛(ごう)

愛してる

 君は愛情が信じられない。思春期には、君自身の変化に君自身が追いつけていなかったことだろう。そんな君が僕には心を開いてくれた。愛情がちょっと過剰だけどね。気にしないよ? 君のやることに僕はただ慣れていくだけ。ナイフが君のラッキーアイテムだったんだね。僕にそのナイフは向けられるかい? 真の愛は君に宿っているかい? 愛と愛がぶつかり合う音、それが礎。


 君が僕にクッキーを焼いてくれたことがあるよね? 嬉しいのと、家庭的だなって思った。君の笑顔は冷たかった、という風な感じだった。僕の命を狙う冷酷な暗殺者のような。でも、クッキーは甘かった。それが何よりのデザートだった。君の全てを抱きしめたい。心からそう思った。


 君は今では何も言ってくれない。

 その表情は永遠に僕のモノだよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

君のために…… 野口マッハ剛(ごう) @nogutigo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ