試されているのに応えられない自分がいる

 ここ数日、ちょっとした時に不意打ちで試験みたいなことが起きるんだよね。


 今のところ三回連続でアウト。orz


 一回目は、朝の散歩でふと電柱の傍に目がいって、そこに鳥の雛を見つけた時。

 私は足を止めなかった。


 後から、足を止めて確認するべきだったんだ、と気付くのよ。死んでたとは思うけど、それならそれで、どうして弔ってやらなかったんだろう、と後悔した。


 昔の自分なら、実家にいて親のすねかじりでノホホンと生きてた頃なら、当たり前にそうしていたのに、今はもうそんな簡単なことさえ出来ない。すーっと通り過ぎたことが後からすごくショックだった。なんてさもしい人間になったんや、て。


 それからほんの二三日過ぎた朝、同じように散歩中だった。


 とつぜん、カラスが私の目の前を横切って、真横の家の玄関先に飛来した。

 そこには巣立ったばかりと思えるスズメの雛が落ちてた。たぶん怯えて飛べない。


 すぐに親と思しき別のスズメがこのカラスに向かっていって、私の目の前でこれを追い払った。でも、私は足を止めなかった。そのまま進んだ。


 そうしたら、カラスがまた飛来するのが視界の端に見えたんだ。振り返ったら、玄関先から飛び立ったところだった。何か咥えていたかどうかは解らない、後ろ姿しか見えなかった。


 そうして私はまた後悔した。どうして玄関に飛び込んで、スズメの子の盾になってやらなかったんだろう、と激しく悔やんだ。いつもそうだ、私は判断を間違える。なんでか足は止まらず進んでしまうようになった。昔は絶対に違ったのに。


 そして今日だ。また来た。三度目の正直、となれば良かったんだけど、二度あることは三度ある、の結果にしかならなかった。激しく後悔している。


 自転車に乗っていた時だ、傍らの家のガレージで、おじいさんがガレージの柵を開けようとしているのが視界に映った。


 あっ、と思う間におじいさんはよろけて、横倒しに倒れてしまった。


 なのに私は自転車を止められなかったんだ。スピードを落とし、目線で大丈夫ですかと問うくらいが限界で、足を止めることが出来なかった。なんで止まらないんだ、と片隅に思いながら、必死に顔だけおじいさんに向けて安否を気遣うのが精一杯だった。なんで私の足は自転車のペダルを漕ぎ続けたのか、自分でも解らない。


 惰性のようになっていて、すーっと通り過ぎた。せめてもの救いはおじいさんが目線で大丈夫と応えてくれたことくらいだ。本当に大丈夫だったのか、確認は出来ていない。


 なんで足が止まらなかったのか、三度も試されて三度ともアウトになった。


 足を自力で止めることが課題だと思ったよ。






 今日、週刊誌を読んでいて気になった記事があった。どこかの誰かの話だけど、毒親を棄てたことを告白していた。苦しかったから、棄てた、棄てたら楽になった、という告白だった。


 哀しくなった。それは逃げただけであって、何の解決にもなっていない、距離は取れただろうけれど、その距離から先へは遠ざかっていかないし、本当の意味での思い出にも変わってはくれない、逃げたその時間で永遠に止まってしまっただけなんだよ、と思って悲しくなった。自力で止まることがとても難しいケースの話だと思う。




追記:

 日本人の起源はややこしくて、縄文人がどこから来たのかとか言う前に人類の出発点から洗わなくちゃいけなくて、まずアフリカ起源でホモサピエンスが登場した時にネアンデルタール人も同じ祖先を持つ分岐先だったことが判明。デニソワ人はネアンデルタール人の系列だとか。日本人はどちらのDNAも残している。


 これらが混血しながら世界に広がり、日本には北回りで今のロシア方面から流れてきた北方系アジアンと、半島経由で来た南方系アジアンと、それ以前から居た縄文人との三種混合状態の分布であることが判明。でも半島経由のアジアンはその後半島から消えて漢族由来のアジアンに置き換わる。(漢族由来じゃなかった?うろ覚え)


 この置き換わりがくせ者で、弥生時代に日本に渡ってきた渡来人が謎になってしまう。半島全体に近い置き換わりって何が起きたのだろうねぇ… フシギ。


 東北の北方系アジアンは蝦夷であろうという話だった。日本の主流三種はいずれも元の地域では置き換わりが起きて消えていて、その結果で、日本のDNA分布が周辺地域から孤立してチベットとかに類似が見られるだけみたいなコトになったモヨウ。


 ……ガラパゴスかな?(笑

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