公開討論の是非について

 公開討論というと、以前にあった青識氏のヤツとか思い出す。今回は小林よしのり氏が提案して相手が蹴ったらしいが…


 それに対するギャラリーの反応がどうもヨロシクないなと危惧している。



 反ワクチン派とワクチン推奨派の公開討論だが、私は受けて立つべきだったと思う。科学的データや論文で戦うには、不確定性やら膨大な解説がネックになって、正しい側ほど不利になりがち、てのは確かにあるけど。三時間の制限時間も懸念材料ではある、だけど、推奨派からも条件を出して呑ませることも出来たはずだわ。


 まず、質問はあらかじめで互いに提出しておき、その回答は先に調べて先方へ提出する。本番でもその質問群からは出ないことも決めておく。シナリオだね。


 これ、シナリオを作っておかないと、ディベートの能力で正誤が決定されかねない危険があるから、絶対に含ませねばならないと思うのな。


 だけど、シナリオを先に作るその課程をそのまま公表した方がよほど手っ取り早いわけで、それを掲示板形式でやるのが本来はベストなんだよ、棘とかの形式が一番公平に討論が出来る。聞き流しでの誤解もないしな。


 これはだけど、討論というのを相手が勝敗と捉えてる場合は受けることが出来ないし、そのように申し送りするべきだった。



 疑問点をすっきり解消するために行うのが討論であって、時短でしかないわけで、論文精査なんて一般人はやるわけないから、それに代わって、代表的な質疑応答をする場であるべきなんよな。国会なんかが本来そうなんだよな。


 そうではなく、持論の正しさを証明する場としようとする目的であるなら、これは場所が違うから断るということになる。そう答えるべきだった。持論の正しさであれば、学会に提出して査読受ければ済むことだと、そう答えればいい話だし。


 互いがあらかじめ質問状を出して、その回答を用意して、その質問状の範囲内だけで討論をするのが討論会。事前のやり取りで質問状の補足を行い、出揃ってからやる、これは裁判なんかでもそうなってる。


 なんもなしの、行き当たりばったりでやろうというのは、討論会じゃない。



 ワクチン陰謀派の人々の疑問って、だいたい絞れると思うんよな。それを調べる手間を面倒がってるとは言えてしまうんで、「結局のところきちんと説き伏せることができないから無視を決め込むしかないってことですね。」などと言われてグゥの音も出ないってことになるんだよ。


 どうして副反応が起きるのかとか、死亡例が無視されてる可能性はないのかとか、普通に誰でも疑問に思いそうな質問には丁寧に回答をすることで、それだけ一般の理解にも繋がるわけで、最終的には「巨大な闇の権力によって真実が握りつぶされている中、私だけがその真実に気付いたんだ」系の質問だけが残ってくるだろう、だけどそれはそれで、思い込みとか感情論が支配する領域だという解説をすれば片が付く話なんだよ。「それはあなたの感想ですよね?」で終わる。


 丁寧に追い込めば、ぜんぶ片付くはずで、ただどこぞの国がよく使うゴールポストの移動だけは厄介だから、これを潰すためにも質問状は不可欠だというのよ。


 でもまぁ、幸い、日本はワクチン拒否が社会問題になってたりはしないから、準備時間も取られること考えれば、丁寧なお断りに持ち込めば充分なんだけどさ。


 だけど、その「丁寧なお断り」は「無視」じゃあないよね。



 副反応の中にアナフィラキシーが含まれていて、稀に血栓症や心筋炎など重篤な症状が起きることも報告されている。ワクチンそれぞれで構造なども違うから、そこから解説しないといけない場合もあるけど、それらを踏まえた上でないとこの「丁寧なお断り」は出来ないから、その手順を踏まえない以上は誹りを受けるのも仕方ないってことになっちゃうんだわ。


 これ、日本政府が「国際法守れ」の一点張りなのがコレに当たるわけで。丁寧なお断りモードに入ってるんだよね。別名、「王手」ってヤツ。

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