北斗の拳に見える、「肉体美において男女は等しい」価値観の時代

 ルッキズム、なんだけども。男は頑健な体格で描かれるものであり、ヒョロガリなんてのは男性向け作品においては人権がなかったっていう感じだったかもと。


 男女平等が叫ばれて、真っ先に是正されたのがここかも知れないなと思って。


 かつては「筋肉はいいぞ!」なんて生ぬるいもんじゃなく、「筋肉は正義だ!」て風潮が確かにあったよなぁと思ってさ。男は男らしく、て例のアレだね。筋肉に憧れるひ弱男はカースト的な下位存在として道化をやらされる、ギャグ担当にされる、みたいなものもお約束で存在してたし。


 今みたいに、まるで少女漫画の男みたいな男キャラが、男性向けでチヤホヤされるみたいな描写は読者自身も受け容れなかったかなぁと思うんだ。なんか違和感というか、刷り込まれたモンがあるんだよね。ヒーローは筋肉ゴリゴリだろ、みたいなさ。

(露骨に筋肉でなくてもタフさとかハードボイルドな生命力で表現されたし、女性向けも別ベクトルのルッキズムの軸があったっぽい)


 その反面、ルッキズムにおいて男女は平等に扱われたなぁと。


 いや、性別関係なく、肉体美に優れた男女をこれでもかと肉厚感満載で描くから露出が多かった、というのも。男も筋肉のラインがばっちり分かるピッチピチの服装だったり、胸元どばーんて開いた服だったりで、己の肉体誇示したのと同じ意味合いで、肉体美に優れた女がその豊満ボディを、おっぱいぼいーんのケツぷりの、ふともも全開コスチューム、みたいな感じだったなと思うんだわ。


 完全に、ルッキズムの流れからと思うんよ。


 これがさ、ルッキズムの軛から逃れ出ると、百花繚乱って感じで何でもアリになったのが現代なんだけど、やっぱさ、男性向けは「作中の女だけはルッキズム的価値観継続」の作品が多い傾向あるだろうし、女性向けはその逆で「作中の男だけはルッキズム」の作品が多くなるっての、これはしょーがないと思うんだな。


 まぁ、本来なら何でもアリなんだから均等になるのが正しいわけで、この状況がつまり、まだまだルッキズム的な縛りを相方(男性は女キャラに、女性は男キャラに)に対して引きずっている書き手読み手がそんだけ居るってことかな、と。


 いって趣味趣向のことやしー? 好きなモンくらい好きにさせとけや、て感じでもあるんだけどねぇ。男性側の縛りである「筋肉の軛」は少数派にまで転落したんだから、女性側の縛りもそろそろ解放してくれよ、てのはあるかもね。


 貞操を求めるついでにエロさも求めるっていうそこにね、現実の女性が気付いてしまうとなんというか、男性嫌悪が生まれてしまう、という構造かなぁとか思えてきてるよ。しかも自分は棚上げ、という状態に事実上、なってしまってるから、嫌悪のレベルが「虫唾が走る」にまでなってきてんじゃないかなと。


 フェミニズムに触れると、今まで気付かなかったこの「貞操&エロス」という求めに気付いてしまうということなんだよな。そのくせ、自分だけは降りている、という理解が加わると……。


 今までで盛大に燃えた案件、多くは「責任転嫁型男性主人公」なんだと思うんだ。


 ヒロインがエロく描写されるのは、主人公の視点でそう見えているという解釈が「表現」には為されるわけだけども、この主人公がヒロインにエロさを求めてるからエロく画面上に描写されている、という解釈ではないんだよね。


 それはヒロインの責任で、ヒロインがエロいのだ、というリクツ。


 女性読者がここに気付いたらそら、いい気しないの当たり前だと思うんだが。(笑



 ヒロインがエロポーズを無意識に取るのは、無意識にエロいからだ、という表現にしかならんのだよね。そういう解釈が出来てしまって…ほら、作品の解釈は読者に委ねられて、読者それぞれの解釈がそれぞれに、それぞれの読者にとっては正しい、ていう例のアレよ。それとアイレベルとかの絵描きの基礎知識的な。


 ところが、多くはエロポーズとキャラ付けは無関係にされてんだよね、最近のヤツって。特に絵系のメディアね。アニメや漫画やイラスト。そういうお約束。(清楚系キャラでも乳袋でおっぱいおっぱいしてもいいわけよ、性格と容姿はリンクしないのが最近のトレンドってことだと解釈してるけども)


 じゃあ、ヒロインにエロを求めてんのは誰だ、となる。リアル作者か、リアル読者でしかないんだわ、だって主人公は求めてないし、ヒロイン本人はエロ性格じゃないとなったらさ。


 なんてゲスでクズな連中なんだ…という感想が、かくして爆誕する、と。(笑


 恐らくリクツは分析できてないとは思うんだけどさ、直感で知るというか。そういや、なんかの棘マトメでシティハンターの冴羽燎とかうる星やつらの諸星あたるとかを、今の時代ならフェミに叩かれるとか言ってる人が居たけど、どうだか解らんなぁ、と思うわ。あれはあれで浮気性なトコが嫌悪の対象にはなったろうけど。ここまで激しい嫌悪を呼んだだろうかなぁ、とは思うよ。(少なくとも卑怯の印象はない)


 なんで嫌われるのか、てのを考えるとな。



 作中の男性キャラはガン無視で、対象の女性キャラを通して、彼女の視点主である作者と男性読者に矛先が向かう、という感じですかね。だから女性キャラ自身が叩かれるという現象になる、と分析してみた。(そんで、「男は――」という風に、主語が大きくなるのもこれが原因かなぁ、と)



「責任転嫁型男性主人公」ってのはさ、少女漫画の類型ヒロインに似てて、受動的でさ、白馬の王子様ならぬお姫様が積極的に仕掛けてくるし、勝手に傷付いてるし、勝手に誤解してるし、勝手に告って玉砕したと思ってジレジレして、勝手に…の、無限ループで「自分の本意ではありません!」アピールしてるヤツな。


 端折りに端折って四行にマトメちゃうとこんな感じで正体曝け出しちゃってさ、庇う余地が…てなるんだけど、もっと細かく各エピソードを丁寧に描写すればさ、不思議なことに「あるある~、わかる~、」になるんだよね。(笑





 ちなみに私は、ゴリゴリのルッキズム支持者です。

(平凡な一般人がモテモテ状態はおかしい、な主義)



追記:

 ルッキズム支持だからね、美醜はね、美しいものを称えるのは当然、美しくないものは…スルーが礼儀。(勘違いには噛みつくこともあるけど)

 これがさ、ルッキズムの皮を被ったレイシズムももちろんあるんだわ、そいつらは美しくないモノを取り沙汰すのな。美しいモノだけを注目して、そうでないものは等しく沈めておけばよいものを、奴等は差別が目的だから「ほら、美しくないぞ!」て晒し挙げるんだ。許すまじ、だよ。お前が一等醜いんだ!てな。


 レイシストはレイシストの村社会があるだろうから、お仲間同士で仲良くやりゃいいのに、場違いなとこにも平気で潜り込んでレイシズムを広めようとするわけだよ、主義を混ぜんなってのに。度しがたい奴等だよ。どこにでも潜り込むし、勝手に作り替えようとするし。同志のフリしたエネミーだ。乗っ取りドロボウだ。


 フェミさんのとこにも同じ状況があるなと思って意見書いたけどさ、どうやら彼女らはお優しいみたいで、一人一派だから否定はしないとかってガンバルみたいだね。


 ルッキズムはほら、強者はどこまでも強者として認めるわけで(その分、弱者が圧迫されるという弊害があるんだが)、性的な自由さもな、フェミが問題視してた貞操問題とか、ああいうのも強者理論でねじ伏せるのがデフォだからさ。


 秀でた男女が、性も同様に謳歌するのはルッキズムにおいては当たり前なんだわ。モテる男女がモテまくるのは当たり前だろ、てなもんだよ。モテない男女は…言わぬが花よ、てな。(それを全員に課すことを求めるのは、皮被ったレイシズムな)


 どういうお付き合いをするも、これは個人の勝手であって、その勝手の選択肢に文字通りなハーレム状態だのヤリまくりだのって道も入ってくる、てだけの話なんよ。それのどれを選択するのかは個人の自由よな、て。でも、その一部ルートは秀でた者だけの特権だわな、と肯定するのがルッキズム。と、私は思っておるのよ。


 だから、フェミさんがここんとこゴタゴタしてんの見るとじれったくてな~。(笑



 ま、そういうことだよ。

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