「表現の不自由展」に関するモヤモヤ

 これを、表現の自由に対する不寛容だという意見があったんだけど、切り離すべき3つの観点をごっちゃにして語るから、すごく恣意的というか、歪んでいるというか、ちっとも響いてこないどころかムカついてしまった。なんか詐欺師の論理聞かされてる気分だったわ。


 彼ら本人たちは、論点がごっちゃだってことにも気付いてないし、イデオロギーの自由と表現の自由と民主主義的多数決とロビー活動の結果とを、あ、4つだったね、を、まぁごっちゃにしてるよなぁと思ったんさ。


 まず、アレが開催不可になったのは民主主義的多数決の結果でしかないし、ロビー活動で敗北したからでしかないし、そもそも、市民とか国民に対するプレゼンの時に嘘ついたのがバレたらそりゃ皆怒るよ、て話だわな。


 自分らが嘘吐いた自覚がなさそうなんだけど、説明不十分のままで開催しようとしてたって、気付いてすらないよね? ゴミ処理とかで自治体が勝手に計画進めてさ、後からした説明会で住民の反発食らって吊し上げられてる図しか浮かばんよ。同じだっての、まったく解ってなさそうなのが、連中の笑えるところだ。


 で、なんで説明会端折って先に開催決めたのかって、住民が反対すんの解ってる内容だからだよね? それをご理解頂くのが「対話」というはずなんだが、彼らのいう対話は、対話ではなく「教化」なのを解ってない。教化だからすげぇエラそう。


 アレだ、「無知蒙昧な土人どもを我々の崇高な理念で導いてあげよう。」だよ。


 対話ってディスカッションのことだよ?

 君らが言ってんのはぜんぜん違うもっと醜悪なモンだろが。とか思っちゃった。


 対話って、宗教団体とかがよく使うんだけどさ、お前らがやってんのはそんな上等なモンでなく、醜悪な「教化」っていう奢りだろうが、と思うことが度々あるんだけどもさ、それをイデオロギーの現場でも見せられるとはねー。


 そういうトコやぞ、て。(笑


 自分の正体を知らん連中は、ヤダねー。(笑



 教化と対話は明らか違うでしょ。アカデミーの場で行われるディスカッションが「対話」で、各種勧誘とかで行われるのが「教化」だよ。結論ありき、なの。


 アカデミーの場ではゴリゴリに自分の主張に拘って一歩も動かないヤツなんてのは嗤われるんだが、勧誘の場では意思の強さとかいって持て囃すんだわ。


 対話って、双方の意見を照らして、検討し合うことを指すんじゃなかったっけ?


 自分の意見が絶対的に正しい、なんてのは思考停止じゃないの。もしかしたら、こっちが間違ってんのかな、は常に持ち合わせとけよな、と思うんだよね。で、いや、やっぱりこっちが正しいと思う!て時には、今持ってる意見をもっとグレードアップして、相手に再考を促せるだけの力をつけようってなるんじゃないの。相手の意見の分析、欠陥の指摘、論理の弱点なんかを突いてさ。それは常に自身にも向いている、なんてのは当たり前だよ。


 ところがだ、あの連中のしてることといえば、終始感情論とかレッテル貼りとかでさ、まったくアカデミックさが感じられないし、説得力もないんだよ。活動家の使う耳障りのいい内容カラッポな屁理屈の域を出ない、というか…


 彼らは「真実」ではなく「自分の正当性」を保持したいだけなんだろう。ポジション・トークでしかないんだよな。

 最近、とみに人々の思想が白黒二元論的に単純化してんなーとか思うんだけど。世の中には自分の信じてる正しい思想と、他はぜんぶ間違っている思考、みたいなさ、頑なにそれ認めないし譲らないしな、幼稚園児かよ、みたいな幼稚な人が増えた気がすんの。


 こんなん、三歩で忘れるトリ頭に言われてたら世話ないよ?



 うーん、アレかな?


 自分が間違っていた→劣っている→愚かさの露見→馬鹿にされる


 コレを恐れてしまう心理が根底に隠れてんのかもなぁ、とか思っちゃった。ヘタに間違ったら人生が詰むとかいう強迫観念あるよね、今どきって。私らの時代はなかったんだけど、最近の若い子は窮屈そうだなぁとは思ってたよ。


 死にゲーが流行ってた時代だし、トライ&エラーは当たり前だったし、昔話ですまんけども、隔世の感覚がマジでな、すげぇ感じるんだわ。(笑


 私らの若い時分って、「人生100年もあるんだし、大丈夫!」だったけどさ、今どきはなんか「人生100年しかないんだよ!」てすごく時間をケチってるよーな感じがすんだよね、若い人らの感覚。いや、ほんとの若い人らじゃなく、ちょうどユトリの前後? ほんとの若い10代くらいはもう、自分のしたいことにまっすぐ!てブレのなさを感じるんだけど。ちょうど私ら旧世代と10代の新世代の中間? そこがさ。


 世代間格差じゃなく、それこそ思想とかタイプ別で各種のグループが色相的に目立って見えるてだけかも知れんけど。

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